マックス・U-18大賞
ふぐ太郎さん(東京都 / 14歳)
小さな頃から友達を作るのが苦手だった。小学校の通信簿、「人の気持ちや立場を理解し、友達と仲良く助けあう」評価にはいつも「がんばろう」がついた。
決して人と話すのが嫌いではない。むしろ家ではおしゃべりな方で、くだらない冗談を言って家族を笑わすこともある。
それなのに、学校に行くとなぜか喉がキューとなって何だか声が出にくくなる。
何を話したら良いのか分からなくなる。
話す人もいないからいつも机に1人座って読書している僕をみんな変わっていると思っているかな。
いじめられているわけではない。でも空気みたいな存在はやっぱり寂しい。
これからもずっとこんな日が続くのかと思っていたあの日、「こっち来いよ、一緒にメシ食おうぜ。」
いつも1人で食べている僕を誘ってくれた席が近くのクラスメート。初めは自分に話してくれたとは思わなくてぼーっとしていたらニッと笑ってくれた。
嬉しくて嬉しくて……ドキドキしながら机をくっつけた。くっつけた机と一緒に心まで触れた様な気がした。
あぁこの瞬間を僕はずっと留めておきたい。