マックスのあゆみ
『使う人が満足するモノづくり』このこだわりがマックスの歴史です
国産初の小型ホッチキス・ガンタッカの誕生と、その後のお客様の声をかたちにしてきた歴史を、製品とともにご紹介します。
1942年~1950年代
- 1953年
- NHKのテレビ放送開始
国産第一号の10号タイプホッチキス「SYC・10」発売
- 1958年
- 東京タワー完成
国産第一号のガンタッカ発売
1960年代~1970年代
- 1962年
- 首都高速道路1号線が開通
- 1964年
- 東京オリンピック
国産第一号のエアネイラ「T2-A」発売※
誘引結束機〈テープナー〉発売
- 1970年
- 大阪万博
袋口結束機〈パックナー〉発売
- 1973年
- 第1次オイルショック
- 1974年
- 北米の2×4工法認可
丸釘用コイルネイラ「CN-60」発売※
- 1979年
- 第2次オイルショック
ネイラ専用エアコンプレッサ発売※
- ※写真は発売当時の商品で現在は生産しておりません。
1980年代~1990年代
- 1985年
- 科学万博つくば85
電子タイムレコーダ発売
電子ホッチキス発売
複合機内蔵用〈オ-トステープラ〉発売
- 1989年
- 新しい元号「平成」がスタート
とじ裏が平らになるフラットクリンチホッチキス発売
- 1990年頃
- バブル崩壊
カッティング・プリンティングマシン〈ビーポップ〉発売
- 1993年
- サッカー「Jリーグ」が開幕
鉄筋結束機〈リバータイア〉発売
- 1995年
- 阪神淡路大震災
高圧釘打機システム〈スーパーネイラ/スーパーエア・コンプレッサ〉発売
石膏ボード用ねじ打機〈ターボドライバ〉発売
- 1998年
- 長野オリンピック
青果・食品用袋口結束機〈コニクリッパ〉発売
2000年代
- 2000年
- 二千円札発行
浴室暖房・換気・乾燥機メーカーシンワハイテクグループ2社を買収
- 2002年
- FIFAワールドカップ日韓大会
50周年記念モデルホッチキス「HD-10DFL」発売
全熱交換型24時間換気システム「ES-8200」発売
国産第一号のガスネイラ発売
プロ用コンクリートツールハンマドリル・振動ドリル発売
- 2005年
- 「愛・地球博」
住宅用ディスポーザシステム発売
食品ラベル用感熱ラベルプリンタ発売
- 2008年
- リーマンショック
リチウムイオン電池搭載充電式ブラシレスインパクトドライバ発売
2~40枚が軽く綴じられる新規格針採用の新世代ホッチキス「Vaimo11(バイモイレブン)」発売
14.4V充電工具シリーズ充電式丸のこ発売
2010年代
- 2010年
- 惑星探査機「はやぶさ」が帰還
スタイルとカラーにこだわった「Vaimo11 STYLE(バイモイレブン スタイル)」発売
戸建住宅への導入を容易に「戸建住宅用ディスポーザシステム」発売
充電式剪定はさみ「ザクリオ」発売
- 2011年
- 東日本大震災
- 2012年
- 東京スカイツリー開業
2枚から80枚までの書類を1つの針でとじられるクラス最小・最軽量の卓上ホッチキス「Vaimo80」発売
着脱可能な新電波時計"T.A.P"※を標準搭載したタイムレコーダ「ER-110S5W」「ER-80S2W」発売
- ※T.A.P … Time Adjustment Porterの略称
15枚までの書類をしっかり綴じる紙針ホッチキス「P-KISS」発売
世界初「ツインタイア機構」搭載
充電式鉄筋結束機「TWINTIER RB-440T」発売
今では当たり前に存在しているホッチキスですが、実は”お客さまからの声”をもとに様々な改良が重ねられてきました。ホッチキスのあゆみを、開発の背景とともにご紹介いたします。
1940年代
ホッチキスが広まっていない戦後間もない時代、書類をとじるにはキリで穴を開け、ひもで結ぶのが一般的でした。今では“当たり前”なホッチキスも、当時は画期的な商品だったと言えます。
ちなみにこの頃、ホッチキスは「文具界の3種の神器」の1つとして言われていたそうです。
1950年代
当時にすれば画期的な卓上ホッチキス「ヤマコースマート」。しかし、サイズも大きく高額だったため、職場での使用が一般的でした。
そこでマックスは、「ひとりに1台持ってもらいたい」との想いから小型化の開発をスタート。こうして“国産初”のハンディホッチキス「SYC・10」が誕生しました。価格もヤマコースマートの半額以下の200円としたことで、ホッチキスはオフィスから個人へと、徐々に普及しました。
社名の変更にともない「SYC・10」を名称変更した「MAX・10」。普及するにしたがって、“ホッチキス”と“マックス”は同義語になり、文具店には「マックスください!」と買いにくる人が増えたそうです。
その後も改良を重ね、1967年にはホッチキス・針がJIS規格の認証を受けました。
縦だけでなく、横にも使えることで中とじができるホッチキス。
文房具として使われることの多いホッチキスは、私たちの身の回りでもたくさん活躍しています。
お客さまの声から生まれた様々なホッチキス。用途によってカタチも使いやすく改良されています※。
ポスター貼りや椅子の布貼りなど、各種工具に便利な木に打てるホッチキス。小釘の代わりに使用されています。
クリーニング屋さんで洗濯物のタグ留めに使用したり、紙袋やビニール袋などの袋とじに使用したりと用途は様々。握りやすいペンチタイプのホッチキスです。
- ※このコラムに掲載している写真は現在販売中のものを使用しています
1960年代
操作性・耐久性を重点にデザインされたことが評価されました。後の人気定番商品となりました。
1970年代
指の安定を良くするためにデザインを見直し、本体にリムーバを搭載するなど、これまでも各所に工夫を施してきたホッチキスですが、マックスはあらためて「とじる」ことに着目。「もっとラクにとじられるホッチキスはできないか」と考えました。
試行錯誤の上、1979年にテコの原理を応用し、とじる力を軽減した「軽とじ機構」を開発。従来の約1/2の力で作業ができるようになり、お子様の小さな力でもしっかりととじられるホッチキスが完成しました。
1980年代
フラットクリンチとは、“フラット=平ら+クリンチ=打ち曲げる” すなわち、“平らに打ち曲げる”という意味です。
「重ねた書類がかさばるので、ホッチキスの裏をかなづちで潰している」というお客様の声をヒントにした、マックスによる世界初の技術です。とじた針の裏が平らになることで、書類の雪崩も起きず、省スペースで保管できるようになりました。
印刷・コピー時の機能の1つである「ホッチキスとじ」。ビジネスマンにとっては常識となりつつある機能ですが、こちらもマックスが世界で初めて開発した技術。
大量の書類を作成する機会の多い方々のために考えられた「オートステープラ」は、多くの複合機メーカーにOEM供給されています。
1990年代
1968年に発売した「HD-10D」をデザイン一新、更に針の装填が簡単にできるワンタッチオープン機能を搭載しました。
現在も、定番品のホッチキスです。
通常のホッチキスとしてはもちろん、中とじをすることができる「ホッチくる」。「ちょっとした小冊子を作りたい」というお客さまの声に応え、開発されました。ペーパークラフトや紙箱のとめあわせにも使え、根強い人気のあるホッチキスです。
タテヨコにとじられる「ホッチくる」など、現在でも一風変わったホッチキスがありますが、当時はユニークなホッチキスがたくさんありました。ここでは、その一部をご紹介します。
縦26mm、横35mm、奥行き17mmの超ミニサイズ。10号針が使用でき、タッキングも可能など、コンパクトながらパワフルなホッチキス。色もかわいらしいパステルカラーの5色展開で、若い女性を中心に大人気だった商品です。
クレジットカードやテレホンカードなど、カード全盛期に発売されたユニークなホッチキス。厚さも6mmと薄くて軽いので、胸ポケットからそっと取り出せば話題沸騰!?同時期にカードタイプのパンチも販売していました。
本体中央のボタンをスライドすることで先端が開閉するバータイプのホッチキス。色はホワイトとブラックの2色。「B&G」は「ボーイズ&ガールズ」の略で、姉妹品として「L&G」(レディース&ジェントルマン)も発売していました。
- ※現在では販売されていません
2000年代
「パワーフラット」発売
「軽とじ機構」、「フラットクリンチ機構」を搭載し、10号タイプながら、最大26枚もの書類をとじることができるホッチキス。マックスがハンディホッチキスを発売して50周年を迎えた2002年に、記念モデルとして開発・販売しました。
「サクリ」、「サクリフラット」発売
女性やお年寄りでも片手でラクに、確実にとじられることを重視して開発されたホッチキス。サクリシリーズはとじる力を約50%軽減し、予備針100本が収納可能なことで好評いただいています。 また、「サクリ」にフラットクリンチ機構を搭載した「サクリフラット」は、ISOT2007 (国際 文具・紙製品展)で、“ステーショナリーオブザイヤー”を受賞しました。
「Vaimo11 FLAT」、専用針「No.11」発売
当時のマーケティング担当が出張で利用した新幹線。スーツ姿の女性が卓上ホッチキスを使い、肩で息をしながら何冊もの書類を作成している姿が目に入りました。社員は、後日その女性が勤める企業に訪問。実際に卓上ホッチキスを使っている方々に意見を聞いたところ、「とじる際にも、針を引き抜く際にも力がいる」「席を立つ必要があるのが面倒」などの不満を抱えていることを知りました。
そこでマックスは、卓上タイプに匹敵する小型ホッチキスの開発に着手。「軽とじ機構」の搭載に加え、新規格針「No.11」を開発することで、2~40枚の書類をとじられる「Vaimo11 FLAT」が誕生しました。
通常のホッチキスの最大とじ枚数である20枚の「倍も」とじられることから「バイモ」と命名し販売したところ、「分厚い書類を片手でラクにとじられる」「その都度席を立つ必要もない」と大好評。その販売台数も、目標の“倍も”の実績となりました。
2008年度のグッドデザイン賞、ISOT2009(国際 文具・紙製品展)機能部門優秀賞を受賞しました。
2010年代
「Vaimo11 STYLE」発売
2008年に発売されたバイモ。機能面では高い満足をいただいていた一方で、手の小さな女性からは「本体がもう少し小さくなれば…」という声がありました。
そこで「Vaimo11 STYLE」は、バイモの高機能はそのままに、本体のスリム化を図り女性の手にもやわらかくなじむ丸みのあるデザインにすることでフィット感を出しました。また、カラー決定は女性社員が中心になり、多数のサンプルの中から絞込みを実施。女性を意識したデザインに仕上げました。
日本ではにぎってとじるタイプのホッチキスが主流ですが、実は国によってホッチキスの使い方や呼称は様々です。
ここではマックスが販売しているホッチキスを例にご紹介します。
東南アジアでは、日本と同じようににぎってとじる「ハンディタイプ」が主流。ちなみにタイではホッチキスのことを“マックス”と呼ぶそうです。
アメリカではハンドルを叩いて使う「卓上型」が多く使われているため、日本のものよりやや大きく頑丈。英語では“ステープラー”と言います。
ヨーロッパではペンチのように握る「プライヤータイプ」のホッチキスが使われています。イタリア語では“クチトリッチ”と言います。
「Vaimo80」発売
これまでの卓上ホッチキスは、「多い枚数専用」として、共有スペースで複数人で使うことが一般的でしたが、「Vaimo80」はサイズダウン・軽量化・とじ力の向上など、様々な工夫を施すことで、「ひとり1台」としても使いやすい仕様に改良しました。また、バイモの技術を応用し、とじこむ際に最もてこの働きが強くなる仕組みや新規格針の「No.11-10mm」を新たに開発したことで、従来の1/3の力で2~80枚の分厚い書類をとじられるようになりました。
家庭に1台、オフィスでも欠かすことのできない文房具として、当たり前に存在しているホッチキスですが、実はホッチキスの使用を控えなければならないオフィスがあります。それは、食品会社です。
元々、食品会社では、卵のパックやお弁当の蓋などをホッチキスでとめていましたが、1990年代から徐々に安全のために金属針が使われなくなってきました。その後、異物混入を避けるために、工場内や併設されたオフィスへの持ち込みが禁止になりました。
そこで、考えられたのが、“紙で紙をとじる”ということでした。 紙を針として使用するには、2つの課題がありました。1つは、失敗することなく書類を貫くこと、もう1つは、とじた後に長期間保持するための耐久性が必要でした。 7年もの開発期間を経て発売しました。 紙製の針のため、書類の処分時も分別廃棄の必要もありません。2014年には書類20枚をしっかりとじる「P-KISS20」を発売しました。とじ跡も目立たず、とじ直しもできる“紙針ホッチキス”の今後にご期待ください。
「サクリフラット」発売
軽い力で平らにとじるコンパクトなホッチキス「サクリフラット」にスイーツをイメージしたツートンカラーの愛らしいデザインに加え、とじ枚数最大28枚を実現しました。
コンパクトにたためるデザインで、ペンケースやポーチに入れて持ち運ぶことができます。丸いボタンのデザインは、プロのメイクアップアーティストが使用する“カラーパレット”をイメージ。小さくてもプロの道具のように信頼できるイメージと、美しいカラーの楽しさを表現しました。
2016年度のグッドデザイン賞、ISOT2016(国際 文具・紙製品展)デザイン部門優秀賞を受賞しました。
「Vaimo11 POLYGO」発売
従来の「Vaimo11」の性能を維持したまま、女性の手にも収まるサイズを実現しました。
これまで丸みを帯びたデザインが多いなか、多面体デザインを採用。各エッジ部分に【ダイヤモンド】をイメージしたカットを施し、スタイリッシュさと高級感を表現しました。ビビットカラーはオフィスで映えること間違いなし!機能性だけでなくデザイン性にもこだわりを持つ方にオススメです。
2013年に発売した「P-KISS15」の設計を全面的に見直し、個人デスクにも置けるサイズを実現。とじ枚数は、使用頻度の高い2枚~10枚とじに対応。 紙の針でありながら“しっかりとじられる” “とじ直しができる”などの高い評価を得ています。最近では食品会社だけでなく、分別廃棄の必要がないことから学校や官公庁に、またケガの心配が少ないことから幼稚園や保育園などにも広がりを見せています。
「サクリフラット」発売
10号針で最大32枚とじを実現し、きれいな“とじ形状”と更なる“使いやすさ”を追求しました。
コンパクトなサイズに軽いとじ心地が人気のサクリシリーズ第3弾。みなさんお馴染みの「HD-10D」に続く、定番ホッチキスになりつつあります。
「Vaimo11 STYLE」発売
「Vaimo11 STYLE」はVaimo11シリーズの中でも、最もスリムなボディーのホッチキスです。
女性や手の小さい方でも握りやすいスリムなボディーはそのままに、爽やかなベージュ、ピンク、ブルーにホワイトを合わせたツートンカラーでデスクを明るくするカラーリングです。
「HD-10D」は1968年に、操作性・耐久性を重視した初代モデルを発売。1991年には第2弾として、針の装填が簡単にできる「ワンタッチオープン機能」をつけ、さらにデザインを手になじむような曲線にし、使い心地を向上させたモデルを発売、現在も同様のデザインです。スタンダードホッチキスとしてご愛用いただいていることから、発売50周年記念モデルを数量限定で販売しました。
紙素材の専用針を使用した紙針ホッチキスP-KISSシリーズの抗菌モデルです。
ハンドル、本体カバー、針カバーに抗菌効果のあるプラスチック材を使用しているので、手が触れやすい部分が衛生的です。また「SIAAマーク」を取得しているマックス唯一のホッチキスです。
「Vaimo11」シリーズ発売11周年を記念して、京都の老舗紙器メーカーが運営する「BOX&NEEDLE」とコラボレーションした貼箱キットです。風合豊かな貼箱用の和紙を「Vaimo11」でとじあわせ、ホッチキスなどを入れる収納箱を手作りすることができます。これからも「Vaimo11」シリーズはマックスの主力製品として様々な商品展開を行っていきます。
「可変倍力機構」とは、針が紙を貫通し始めてから、ピンポイントで軽とじ機構が働くように、テコ比を変える技術です。
この技術により、本体高さをおさえながらも軽くとじることができます。さらにとじ奥行き53mm、150本装填可能なロングマガジンを搭載。
2019年度の「グッドデザイン・ベスト100」にも選ばれ、デザイン性・機能性に優れたホッチキスです。
文房具を機能だけでなくデザインにもこだわって選ぶユーザーが増えています。そのような声に応えるため、ホッチキスにおいても、所有する楽しさを感じてほしいという想いから、アニマルデザインのシリコンカバーを装着したホッチキスを発売しました。見た目がかわいいだけでなく、シリコン素材のサラサラした柔らかい触り心地が好評です。
マックスはこれからも、お客様の声をカタチにした商品を創造し続けます。
次に商品化するのは、あなたの悩みを解決したホッチキスかも!?
いまや建築現場に欠かせない釘打機。実は、もともと釘打機の開発は、建築用でなかったことはご存知ですか?”お客様からの声”によって進化してきた、建築・建設工具のあゆみ、建築現場の歴史をご紹介します。
1950年代
マックスは戦後すぐにホッチキスの生産をスタート、1952年に“国産発”の小型ホッチキスSYC・10を発売、また1955年には当時販売していた鉛筆削器がヒットし、マックスは文具・事務器メーカーとして歩み始めていました。
そこで、さらなる文具事務器商品の拡充を目指し、ホッチキスの針を使用し画鋲代わりにポスターなどを貼るガンタッカを発売。
しかし、事務器としては、普及せず、住宅建築のモルタル工法のラス張り用として左官屋さんの必需品となりました。
同時期に、米国の釘打機メーカーから圧縮空気を動力源とした釘打機の情報を得て、マックスは、本格的な省力工具の開発へと向かうことになりました。
1960年代
「エアタッカT2-A」発売
当時の家具メーカーでは、家具の“フラッシュの芯止め”(家具扉・ドアの内部の木質芯材を接合する)や、“椅子の布張り”の作業のほとんどが熟練した作業者が釘を口に含み、一本一本取り出し金槌で打っていました。
この時代は、政府から所得倍増計画が打ち出され、世はまさに高度成長期。住宅供給の拡大と結婚組数の増加により、家具産業の成長は著しく釘打機の需要は急速に高まりました。
- ※1ネイラなど産業用工具に使用 する『ステープル』は、ホッチキスの針と同じ形状のまま打ち込まれ、部材を接合します。
- ※2エアタッカは現在、エアネイラに呼称を統一しています。
昭和40年代後半は、輸出産業が脚光を浴びていました。輸出品には梱包のための大きな木製の箱が必要でした。これが輸出用重量梱包といわれるもの。その製造には、ネイラが不可欠で、当時は、海外製の釘打機が使用されていました。
マックスは、Tネイルを使用する大型ネイラ「TA-50」を開発、 梱包市場にも参入することになりました。
1970年代
“コイルネイル” とは、丸釘を針金で溶接して、ロール状に巻いたもの。
この頃、梱包向けの釘打機は、Tネイル用が主流でした。手打ちの釘打ち作業で使用されている丸釘はTネイルに比較して保持力があるという理由から、丸釘が打てる釘打機が市場では渇望されていました。
CN-60は、初めて長さ45mmまでの丸釘が打てる釘打機であるうえ、性能が大変優れており、梱包市場では急速な丸釘化していきました。
丸釘が打てることで、梱包市場への普及が進んだ釘打機の、 次のターゲットは住宅建築市場でした。しかし、ここで厚い壁にぶち当たります。日本の伝統的な住宅建築は、仕口・継ぎ手などの柱の結合に、釘を使用しないことを誇りにしている工法でした。そのため当時は、大工さんや金物販売店さんにほとんど関心を寄せてもらうことが出来ませんでした。
1973年には、空前絶後の建築ブームの到来。猫の手も借りたいほどの忙しさに、大工さんはようやくネイラを使い始めました。
さらに、追い風となったのは、1974年オイルショックのさなか、北米の2×4工法が建設省により認可されました。2×4工法は、別名「釘打ち工法」ともいわれ、建築現場で威力を発揮するネイラの存在を大きくアピールすることができました。
1980年代
普及率10%を超え、大工さんの必需品に。
現在の地位を確立したヒット商品
この頃、建築市場への板金屋さんから、ワイヤ連結だと、ワイヤが飛んできて危険、また、打ち込んだ釘の横にワイヤの切れ端が出で、見栄えが悪いという声がありました。
そこで、解決したのが、マックスが開発したプラスチックの連結シート。
これにより、ワイヤ飛び防止や仕上がりが美しくなることにつながり、今では、プラシート連結は、業界のスタンダードとなっています。
この当時の建築向けのコンプレッサは、両手で持ち上げるような大きなものが主流でした。しかしこのAK-615Pは、片手で持ち上げることが可能。爆発的に市場に広がりました。
そして、今では当たり前となっている機能、静音設計。この当時、ヒットしていたアイドルにちなんで…
“駆動静か”とネーミングをつけてPRしていた営業マンもいたとか…
1990年代
従来の約3倍の空気圧力を使用することで、高い打ち込み力とボディの小型・軽量化を図ったのが、マックスのスーパーネイラです。
当時、約140~150万戸の住宅が新築されていました。大工さんの数は、約45万人と推定。(1991年事業所統計より)
長期的には、高齢化や後継者不足による現象が予想されており、住宅建築の効率化が求められるなか、製品化されました。
住宅の高級化・高性能化が進むなか、阪神淡路大震災の教訓からも、さらなる耐震性能の向上が求められるようになりました。
こうした背景を受け、内装材の石膏ボードの接合にねじ化が急速に進むことになりました。この変化をいち早く捉え、世界で初めて開発されたのが、ねじを打って締めるエア式の「ターボドライバ」。
従来の電動ドライバに比べ、疲労を軽減し、驚くほど楽にスピーディに、ねじ締め作業ができるターボドライバは、製品開発とマーケティング活動が優れていると評価され、1996年日経優秀製品・サービス賞の「日経産業新聞賞 優秀賞」を受賞しました。
2000年代
充電式ハンマドリル「PJ-R-201-BC」発売
ピンネイルとは、洋裁の針のように細い釘です。想像してみてください。長さ4.5cmの針をまっすぐに木に打ち込む。細いし、長いし…打ち込む途中で、曲がってしまうような…
それを実現したのが、「HA-45P1」です!ピンネイルは、フローリングの廻り縁や幅木に使われる釘頭の小さな釘です。でも、実は、市場で使われているピンネイルの使用長さは、35mm以下が92%、45mm以上は、たった8%のみ。(※2011年 当社出荷実績より算出)
しかし!マックスでは、わずかでも困っているお客様の声に応えるとともに、変化する施工方法に敏感に反応し、2006年には、50mmまで打てる「HA-50P1」を発売しました。
「HN-90N3」発売
1994年に当社が世界で初めて開発した高圧釘打機スーパーネイラは、発売以来、お客様から高い支持を受けながら、施工方法や建材の多様化に対応した商品を生み出し続けました。
2010年代
業界初となる「反動吸収機構」の採用により、打ち込み時の反動を抑え、力の損失を軽減して軽い押し付けでも釘浮きのない綺麗な仕上がりを実現しました。
モータの全面改良により釘打ち作業の効率に直結する吐出量を落とさずにエア圧縮時の発生音の静音化し、さらに、エア使用量をリアルタイムに検知して最適な自動制御運転を行う「AI モード(PAT.P)」機能を搭載することで省エネ性能はもとより、高耐久性も実現しました。
2017年、業界初スマートフォンでの遠隔操作を可能にした「AK-1270E2」シリーズに進化。
充電式鉄筋結束機「TWINTIER RB-440T」発売
2本のワイヤを同時に送って輪を作りねじることで結束する世界初の機構を搭載し、結束スピードを130%に向上※したほか、「引き戻し機構」により結束力を1.5倍に向上※、「先端織り曲げ機構」によりカットしたワイヤの飛び出し部分を12mmに半減※するなど、鉄筋結束作業の効率化に大きく貢献しました。
- ※2017年10月当社従来機RB-399Aと比較し算出
充電式鉄筋結束機「TWINTIER RB-610T」発売
従来機※よりも対象鉄筋径を拡大したことで、今まで手作業が多かった太い鉄筋を使う建築現場の柱・梁・耐圧スラブや、橋脚の下部工などでの 使用を可能にしました。
- ※2019年11月当社従来機RB-519A
充電式鉄筋結束機「TWINTIER RB-400T-E」発売
業界初の両手持ち方式を採用。人間工学に基づく快適な操作性を実現させました。腰を曲げずに作業できるため、腰痛リスクに関わる腰部椎間板圧縮力が約40%低減します。国土交通省が運営する「NETIS」のVE評価に登録。厚生労働省「高年齢労働者安全衛生対策実証等事業」に選定。働き方に変革をもたらします。
マックスはこれからも、お客様の声をカタチにした商品を創造し続けます。
次に商品化するのは、あなたの悩みを解決した工具かも!?