真空包装機とは?食品業界での重要な役割やメリットについて紹介!
「真空包装機ってどんな種類があるの?」
「真空パックにするとどんなメリットがあるのかな?」
真空包装機は、酸化や細菌の繁殖を抑え、食品の鮮度を長期間保つことができるため、消費者に商品の品質を保ったまま届けることが可能になります。また、におい移りの防止や保存スペースの節約など、多くのメリットがあるため、食品の製造・流通業者には欠かせない存在です
この記事では、真空包装機の基本的な仕組みや、導入する際のメリット、選び方について詳しく紹介していきます。
1.食品業界での真空包装機の重要な役割とは?
真空包装機とは、商品のパッケージ内の空気を抜いて密封することで、真空包装(真空パック)にする機械です。空気を除去し酸化を防ぐことで、食品の品質を長期間保つことができ、特に生鮮食品では細菌の繁殖の抑制効果が期待できます。
また、真空包装によりにおい移りを防ぎ、食品の見た目や清潔感を向上させる効果もあります。包装後の食品が圧縮されることで、保存スペースの効率化にもつながり、物流コスト削減にも寄与します。真空包装機は、食品の品質と保存性を確保するために欠かせない存在です。
2.真空包装機を導入するメリット
真空包装機を導入するメリットは、以下の5つです。
- 食品の酸化を防止することができる
- 細菌の繁殖を抑えて食品の腐敗を防止できる
- におい移りを防ぐことができる
- 味付けや漬け込みが短時間でできるようになる
- 保管スペースを節約できる
(1)食品の酸化を防止することができる
真空包装機は、パッケージ内の酸素を除去することで食品の酸化を防止します。酸素が食品に触れると、色の変化や風味、栄養価が劣化する可能性があり、特に肉類や魚介類、果物などは酸化しやすく品質は低下します。真空包装機で包装することで、酸素を遮断し、酸化による品質の劣化を防ぎ、長期間にわたり新鮮な状態で食品を提供することが可能です。消費者は高品質な食品を購入でき、企業にとっても顧客満足度の向上が期待できます。
(2)細菌の繁殖を抑えて食品の腐敗を防止できる
食品の腐敗は主に細菌や微生物の繁殖によって引き起こされますが、真空包装機を使用することで、これらの微生物が繁殖するために必要な酸素が大幅に減少します。酸素がない環境では、一般的な細菌やカビは繁殖しにくいため、食品の腐敗を抑制し、保存期間を大幅に延ばす効果が期待できます。生鮮食品や加工食品を扱う企業にとっては、食品の品質保持とコスト削減の両立が可能となり、さらに衛生面でも食品を管理できるという大きなメリットがあります。
(3)におい移りを防ぐことができる
冷蔵庫や冷凍庫で保存する際、食品同士のにおい移りが問題になることがあります。特に魚や香辛料の強い食品は他の食品ににおいが移りやすいですが、真空包装機を使うことでにおい移りを防ぐことが期待できます。密封された真空状態のパッケージは外部のにおいを遮断し、食品本来の香りや風味を保持します。また、密閉状態により食品同士が直接触れないため、衛生的な保存も可能になります。
(4)味付けや漬け込みが短時間でできるようになる
真空状態にすることで、食品が液体や調味料をより効果的に吸収しやすくなるため、味付けや漬け込みの時間を大幅に短縮できます。例えば、漬物やマリネなど通常は長時間かかる加工も、真空包装機を使用することで短時間で味を染み込ませることが可能です。これにより、飲食店や食品加工業では、作業効率を大幅に向上させることができるだけでなく、商品の品質も高めることができます。
(5)保管スペースを節約できる
真空包装された商品は空気が抜かれているため、パッケージがコンパクトになります。これにより、冷蔵庫や冷凍庫などの保管スペースを効率的に活用することができます。限られたスペースに大量の食品を保管できるため、業務用の冷蔵・冷凍設備を使用する飲食店や食品工場にとって、真空包装機の導入は大きなメリットとなります。また、コンパクトなパッケージは輸送時にもスペースを節約でき、物流コストの削減にもつながります。
3.真空包装機の種類
真空包装機はチャンバー式とノズル式の2種類で、主な違いは以下になります。
チャンバー式真空包装機 | ノズル式真空包装機 |
主に液体や柔らかい食品、粉末などが対象 | 固形物やサイズの大きいものが対象 |
包装のセットに手間がかかるため時間がかかる | ノズルを差し込むだけのため時間はかからない |
高真空度を達成しやすい | チャンバー式ほど高いの真空度は難しい |
大型で高価なものが多い | 小型で比較的安価なものが多い |
液体を扱いやすい | 吸引時にノズルから液体が漏れるリスクがある |
構造が複雑でメンテナンスに時間がかかることがある | シンプルな構造でメンテナンスが容易 |
それぞれご紹介していきます。
(1)チャンバー式真空包装機
チャンバー式真空包装機は、真空パックにしたい商品を袋ごとチャンバー(密閉された箱状の空間)の中に入れ、その空間全体から空気を吸引する方式です。真空状態を作った後、袋をしっかりと密封するため、酸素の侵入を防ぎ、食品の酸化や腐敗を効果的に遅らせます。液体を含む食品にも対応可能で、包装の精度が高いことが特徴です。
(2)ノズル式真空包装機
ノズル式真空包装機は、袋の口にノズルを差し込み、そのノズルを通じて袋内の空気を吸引する方式です。軽量でコンパクトなため、小規模な作業スペースでも使用可能です。乾燥食品や保存期間が長い商品の真空包装に適しており、設置コストが低く、操作も簡単であるため、個人経営の飲食店や小規模な食品製造業での使用に向いています。
4.真空包装機の選び方
真空包装機にはさまざまな種類があり、業種や用途に応じて最適な機器を選定することが非常に重要となります。真空包装機を選ぶポイントは以下です。
- 食品の特性に合わせた真空度を選ぶ
- 規模やニーズに合わせて選ぶ
- メンテナンスのしやすさ
それぞれご紹介していきます。
(1)食品の特性に合わせた真空度を選ぶ
真空包装機は、家庭用の小型のタイプから大型の業務用まで幅広く展開されていますが、食品の保存性を特に高めたい場合には、真空度の高い機器を選ぶことが重要です。家庭用の真空包装機は酸素がある程度残ってしまい、保存期間が短くなりやすい傾向にあります。一方、業務用真空包装機は酸素の残留を極力抑えることができるので、食品の酸化や腐敗を防ぎ、鮮度を保つ効果が格段に高まります。
ただし、すべての食品に高い真空度が適しているわけではありません。柔らかい食品や繊細な商品には、真空度が高すぎると商品が圧縮されて変形する可能性があります。食品の特性に応じた真空度の調整が必要になります。
(2)規模やニーズに合わせて選ぶ
真空包装機は、包装する量や頻度、事業規模に合わせて選ぶ必要があります。小規模な飲食店や小売店で少量の食品を取り扱う場合、コンパクトで取り扱いが容易な卓上型の真空包装機や持ち運びが可能で初期コストを抑えられるポータブルタイプが適しています。
また中規模以上の食品加工工場や卸売業などでは、一度に大量の商品を処理できる高性能な業務用の真空包装機が向いています。作業のスピードや生産量の増加に対応できる機械を選ぶことで、効率的な運用が可能です。
(3)メンテナンスのしやすさ
メンテナンスのしやすさも、機械の選定時に考慮が欠かせないポイントとなります。例えば、フィルターの交換や真空ポンプの清掃、シーリング部分の点検など、真空包装機には定期的な手入れが必要な部位が複数あります。
メンテナンスしやすさの確認は、日常的に簡単に手入れできる構造になっているかも影響します。特に、大規模な生産施設ではメンテナンスが作業効率に与える影響が大きいため、交換部品が入手しやすいかやメーカーのサポート体制が整っているかも検討材料となります。
5.真空包装機を導入する際の注意点を紹介
真空包装機を導入する際には、以下のポイントに注意を払う必要があります。
- 導入スペースの確保が必要である
- 電源・設備の準備が必要になる
- 操作方法とトレーニングが欠かせない
- 包装材の選定も確認する
- コスト管理と導入計画を考慮する
それぞれ紹介します。
(1)導入スペースの確保が必要である
真空包装機のサイズは、機種や処理能力によって大きく異なります。導入する際は、機械を設置するスペースの確保が必要です。設置場所は包装する商品や作業フローに合わせて考慮し、作業者が効率的に動ける動線も含めて計画することになります。
また、食品加工現場などでは、衛生基準に従った環境整備も不可欠です。湿度が低く清潔で温度変化が少ない場所で、機器の性能を維持しつつ衛生的な環境を保つことが求められます。
(2)電源・設備の準備が必要になる
真空包装機は基本的に電力を必要とするため、適切な電源設備の準備が不可欠です。特に大規模な機器や高性能な機種を導入する場合、施設の電力容量を確認し、必要に応じて電気設備の見直しが求められます。
多くの機械が同時に稼働する工場などでは、過負荷を避けるための電力管理が重要であり、トラブル防止のためにも電力計画を立てることとなります。例えば機械の設置場所に近くで、簡単にアクセスできる位置に電源を設置することが有効です。
(3)操作方法とトレーニングが欠かせない
真空包装機を効率的に運用するためには、操作に関する専門的な知識や技術が必要となります。特に大型の機器や多機能な機種では、操作ミスが生産効率の低下や機械の故障につながるので、導入時に従業員に対する適切なトレーニングが不可欠です。
また、直感的なインターフェースや分かりやすいマニュアルを備えたモデルを選ぶことで、作業効率が向上やトラブル防止につながります。さらに多くのメーカーが提供しているトレーニングや技術サポートを活用して従業員を教育することも長期的に見て重要となります。
(4)包装材の選定も確認する
真空包装機によって使用できる包装材が異なるため、導入時に対応する包装材の確認が必要です。包装材の選定は商品の保存性に直接影響を与えるので、適切な材質を選ぶことが非常に重要となります。一般的に、ポリエチレンとナイロンフィルムで作られたフィルムが使用されますが、機種によっては特定の材質にしか対応していない場合があります。特に食品を扱う場合は、酸素透過率や防湿性など、商品の鮮度保持に必要な性能を持つ包装材を選ぶことが求められます。
(5)コスト管理と導入計画を考慮する
真空包装機の導入には、初期投資やランニングコストがかかります。機械本体の価格だけでなく、消耗品や電気代、定期的なメンテナンス費用も含めたトータルコストを事前に見積もることが大切です。
また、導入に際して設置費用や従業員への初期トレーニング費用も考慮し、コスト計画をしっかりと立てる必要があります。特に大規模な施設で導入する場合には、複数台の機器の運用コストをしっかり把握して導入を検討する必要があります。
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真空包装機は、食品業界をはじめとする多くの分野で欠かせない包装機器ですが、適切な機種選びや定期的なメンテナンスを行うことで、効率的かつ高品質な包装を長期間維持することにつながります。
さらに食品を包装する際には、包装の形状を工夫して視覚的な魅力を高めることを考慮して包装材を選ぶことも重要となります。単純に包装だけして納品するよりも、包装の形状を工夫することは商品価値を高めることにつながるので効果的です。より視覚的な魅力を向上させたい場合、マックスのエアパックナーなら巾着形状に包装できるので、真空包装機などと合わせた導入がおすすめとなります。
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