ヒートシーラーとは?その仕組みやメリット、選び方を紹介!
「ヒートシーラーとはどんな機械?」
「どんな製品の包装に適しているの?」
ヒートシーラーは、食品、医療製品、工業製品など、多様な分野で活用される包装機械です。特にフィルム素材を高温で溶着して密封することで、鮮度を保つだけでなく、異物混入や劣化を防ぐ役割を果たします。
この記事では、ヒートシーラーの基本的な仕組み、種類、導入のメリットやデメリット、選び方のポイント、適切な取り扱い方法まで詳しくご紹介します。ヒートシーラーの導入を検討している方、またはすでに使用中の方にとっても、参考になる内容をお届けします。
1.ヒートシーラーとは?
ヒートシーラーとは、フィルムや樹脂などの素材を熱で溶かし、接着することによって密封を行う装置です。この技術により、包装の内部をしっかりと密封し、酸素や湿気などの外部要因から製品を保護できます。特に食品業界では、酸化を防ぎ、鮮度を長期間にわたって保持するための重要なツールです。
2.ヒートシーラーの種類
ヒートシーラーには様々な種類がありますが、溶着方式は以下の3種類となります。
- 超音波式ヒートシーラー
- 直熱式ヒートシーラー
- インパルス式ヒートシーラー
それぞれ紹介していきます。
(1)超音波式ヒートシーラー
超音波式ヒートシーラーは、超音波(微振動)を利用し摩擦熱を発生させ、フィルムなどの包装の素材を溶着させます。最大の特徴は、溶着する部分のみに熱が発生するので、熱に敏感な製品の包装に使用しやすい点です。他のタイプの場合は装置の一部分に熱を発生させ、包装の溶着したい部分を近付けるため、製品が熱に敏感だと変質してしまう可能性があります。
(2)直熱式ヒートシーラー
直熱式ヒートシーラーは、常に加熱されたヒーターで包装を溶着する方式です。特に大量生産ラインで多く使用され、連続して高い生産性が求められる場面に適しています。さらに、均一の品質が求められる場合にも、安定した性能を発揮します。
また直熱式ヒートシーラーは、瞬間的に熱を加えるインパルス式とは異なり、ヒーターが常に加熱された状態にあるため、冷却の必要がなく、迅速に作業を進めることができます。例えば、大規模な工場や長時間の連続作業が必要な現場では、直熱式ヒートシーラーが役立ちます。
(3)インパルス式ヒートシーラー
インパルス式ヒートシーラーは、必要なときに瞬間的にヒーターを高温にし、その熱で包装を密封する方式です。直熱式ヒートシーラーとは異なり、溶着時にのみ高温を発生させるためエネルギー効率が高く、溶着後にはすぐにヒーター部分の冷却が行われることから熱による事故のリスクが少ない特徴があります。
3.ヒートシーラーを導入するメリット
ヒートシーラーを導入することで得られるメリットには以下があります。
- 密封性の高さ
- 生産効率の向上
それぞれ紹介します。
(1)密封性の高さ
ヒートシーラーの最大のメリットは、その優れた密封性です。高温でフィルム素材を溶着することで、包装内部への空気や湿気の侵入を防ぎます。これにより、食品の酸化や腐敗を防ぎ、製品の保存期間を延長することが可能です。さらに、真空パック用袋との併用で、酸化を防ぐ密封が実現します。
高品質なパッケージは消費者に安心感を与え、リピート購入につながる可能性もあります。特に、食品業界では製品の見た目や鮮度が製品選択の重要な要素となるため、ヒートシーラーを活用した包装技術は消費者の信頼を得る大きな手段となります。
ヒートシーラーで密封した後は、マックスのエアパックナーで巾着形状にすることで見栄えが良くなります。視覚的な魅力を高められるだけではなく、操作も簡単で1巻で8,000回とじられるので、ヒートシーラーとともに大量に製品を見栄えよく包装するために役立つ機器となります。
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(2)生産効率の向上
ヒートシーラーを使用することで、人手では難しい迅速かつ包装が可能となり、作業効率が飛躍的に向上します。特に、自動化されたヒートシーラーを導入すれば、短時間で大量の製品を密封することができ、人手不足の解消やコスト削減に大きく貢献します。
さらに、ヒートシーラーは不良品の発生率を大幅に低減します。人手による作業では避けられない個人差や疲労による品質のばらつきが解消され、常に一定の高品質な包装を実現できます。
4.ヒートシーラーを導入するデメリット
ヒートシーラーは多くのメリットを持つ一方で、導入に際しては以下のデメリットがあります。
- 熱に弱い素材への対応が難しい
- 熱によって製品にも影響を及ぼす
それぞれ紹介していきます。
(1)熱に弱い素材への対応が難しい
ヒートシーラーで溶着できる素材は、主にナイロン、ビニール、ポリエチレンなどの樹脂系で融点のある素材です。しかし、熱に弱い素材かつ厚みがない包材は穴が空いてしまう可能性があるので温度や圧力の調整が素材ごとに必要となります。またセロファンなどの融点のない素材は溶着できません。
溶着できる紙袋やアルミ袋もありますが、対応しているヒートシーラーでなければ溶着できない可能性があるので事前確認が必須です。したがって、包装する製品に応じて最適な機種を選定し、細かな温度調整や圧力調整が可能な装置を使用することが不可欠です。
(2)熱によって製品にも影響を及ぼす
熱を発生させて溶着するタイプのヒートシーラーを利用する場合、溶着部分と包装の中身が近いと製品が変質する可能性があります。例えば、チョコレートや生菓子、アイスクリームなどの食品が該当します。
5.ヒートシーラーの選び方
ヒートシーラーの選び方は、以下の点に注意することが重要となります。
- 用途に応じた選定基準
- 操作性とメンテナンス性
- コストパフォーマンスの比較
それぞれ紹介していきます。
(1)用途に応じた選定基準
ヒートシーラーを選ぶ際には、包装に使用する素材や目的に応じて機種を選定することが重要です。ヒートシーラーで密封するための溶着は、素材によって適切な温度や圧力をかける時間が異なります。
例えば、ポリエチレンは比較的低温で溶着できる一方、ナイロンや多層フィルムでは高温での溶着が必要となります。このため、包装の素材に応じて、ヒートシーラーの出力や温度調整機能の有無を確認することが大切です。
さらにヒートシーラーを設置する作業環境も、選定の際に重要な要素です。作業スペースが限られている場合は、卓上型などのコンパクトなモデルが適しています。また、電源供給が不安定な場所や持ち運びが必要な場合には、バッテリー駆動のモデルや携帯可能なペン型なども選択肢もあります。なお工場のように温度変化が激しい環境で使用する場合には、耐熱性や温度制御の精度が高いモデルを選ぶことが重要です。
(2)操作性とメンテナンス性
ヒートシーラーは、操作の簡便さが作業効率に直結します。操作が直感的で分かりやすい機器を選ぶことで、初心者でもスムーズに使いこなせるようになります。また、長時間にわたる作業でも疲労を感じにくくなるため、現場での生産性向上に寄与します。
さらに、定期的なメンテナンスも重要です。ヒーター部分の清掃や部品の交換がしやすい設計であれば、長期的な運用におけるトラブルを防ぐことができます。メンテナンスのしやすさを確認することで、作業の停止や機器の劣化を最小限に抑えることが可能です。
(3)コストパフォーマンスの比較
ヒートシーラーを導入する際には、初期投資だけでなくランニングコストも考慮する必要があります。機器の寿命や消耗品の交換頻度、電力消費などもランニングコストに影響を与えます。
また、メンテナンス費用や修理にかかるコストも無視できません。高性能な機器ほど初期投資が高い場合がありますが、耐久性や省エネ性能を考慮した長期的な視点でのコストパフォーマンスの比較が重要です。さらに、作業効率の向上によって得られる利益も含めて評価することが、最終的な選択に役立ちます。
6.ヒートシーラーを扱う際の注意すべきポイント
ヒートシーラーを扱う際には、以下のポイントに注意する必要があります。
- 定期的なメンテナンス
- 日々の清掃が品質に直結
- 故障を防ぐための予防策
それぞれ詳しくご紹介します。
(1)定期的なメンテナンス
ヒートシーラーを長く効率的に使用するためには、定期的なメンテナンスが必要です。特に、発熱するヒーター部分や消耗品(シリコンゴム、ヒーターバーなど)の点検と交換は重要となります。これらの部品が摩耗すると、包装の強度が低下し、不良品の発生原因になります。
消耗部品は定期的にチェックし、劣化が見られる場合は速やかに交換することで、機器の寿命を延ばし、作業の効率も維持できます。
(2)日々の清掃が品質に直結
食品の包装にヒートシーラーを使用する場合、衛生管理が極めて重要です。特にヒーター部分に付着した汚れは、シール不良の原因になります。日々の作業後には、ヒーター部分の清掃を欠かさず行い、異物や汚れを取り除く必要があります。
具体的には、過度な摩擦や強い洗浄剤を避けることで、機器の損傷を防ぐことにつながります。さらに、清掃の頻度や方法を標準化することで、安定した品質管理を実現できます。
(3)故障を防ぐための予防策
ヒートシーラーの寿命を延ばし、故障を防ぐためには適切な使用方法が求められます。直熱式ヒートシーラーであっても、長時間の連続稼働はヒーター部分に負担をかけるため、定期的に動作を止めることが重要です。過負荷を避けるために、機器の能力を超えた使用や無理な稼働は控える必要があります。
また、過度な温度設定を避けることで、ヒーターや内部部品の劣化を防ぎ、機器をより長持ちさせることができます。
食品の包装に関するお困りごとはマックス株式会社へ
ヒートシーラーは、食品など多くの業界で欠かせない包装機器です。特に品質や安全性が求められる場面での役割は非常に大きくなります。
また、食品の包装には視覚的な魅力も考慮したデザインも重要です。包装形状を工夫することで、単なる包装以上の価値を提供し、顧客にとって魅力的な製品を作り上げることができます。
マックスのエアパックナーは巾着形状に包装できる機器であり、ヒートシーラーと組み合わせることで、視覚的に目立つパッケージを実現し、商品の付加価値を高めることができます。