プロセスセンターとは?インストア加工との違い・メリットと課題を解説
「プロセスセンターとは?」
「プロセスセンターの課題は何?」
このようにお悩みではありませんか?
この記事では、プロセスセンターとは何かを中心に、インストア加工やセントラルキッチンとの違い、活用するメリットと課題についてご紹介します。
プロセスセンターのメリットや課題について深く理解することで、より効率的な業務を実現しましょう。
1.プロセスセンターとは
プロセスセンターとは、生鮮食品全般の仕入れ・袋入れや食肉などの加工・店舗への配送を行う加工工場のことです。
店舗ごとに加工する作業員を雇わず、プロセスセンターに人員を集中させることで仕入れから配送までの工程を効率的に進めることが可能です。
例えば、従来では店舗で野菜などの生鮮品を仕入れて加工していたため、作業に伴う人員を多く雇う必要がありました。
そのため、人手不足に陥る店舗もあり、1店舗ごとに多くの人材を割けないなどの悩みがありました。
その解決策として、1980年代から1990年代にかけ大手スーパーなどがプロセスセンターの導入を始め、プロセスセンターを持つ会社とインストア加工を主とする会社にわかれました。
2.プロセスセンターとインストア加工との違い
プロセスセンターとインストア加工との違いについてご紹介します。
インストア加工とは仕入れや加工を店舗で行うことです。
プロセスセンターは、効率的な生産が可能でコスト削減を図れますが、商品が店舗に並ぶまでの時間が長いといった課題が存在します。
一方、インストア加工はお客様の要望に迅速に対応できる柔軟性がありますが、需要の変動に適応するために作業負担が増加してしまう傾向があります。
またコスト面で比較すると、初期投資はプロセスセンターの方が高額ですが、長期的な視点ではインストア加工の方が需要変動に合わせて人員を増やす必要があり、これに伴う高額な人件費が懸念されます。
3.プロセスセンターを活用するメリット
プロセスセンターを活用する以下の5つのメリットをご紹介します。
- 店舗ごとの人手不足解消や人件費削減につながる
- 店舗での加工作業を減らせるので他の業務に集中できる
- 加工品質を全店舗で一定に保てる
- 自動機械配置により大量生産が可能
- 商品開発のための研究をしやすく機密性が高い
順にご紹介します。
(1)店舗ごとの人手不足解消や人件費削減につながる
プロセスセンターを活用するメリットの1つ目は、店舗ごとの人手不足解消や人件費削減につながることです。
プロセスセンターに加工作業員を集中させることは、店舗ごとに加工のための人員を採用する必要をなくすことができるため、人手不足の解消や人件費削減につながります。
イオンフードサプライ株式会社の例をあげると、加工作業を自社プロセスセンターで実施し小売店側の負担低減を実現しています。
出典:イオンフードサプライ株式会社/開発のこだわり
部分的に委託するといったこともできるので、初期投資を少しでも抑えることが可能です。
このように、プロセスセンターは店舗ごとの人手不足解消や人件費削減に繋がります。
(2)店舗での加工作業を減らせるので他の業務に集中できる
プロセスセンターを活用するメリットの2つ目は、店舗での加工作業の削減によって他の業務に集中できることです。
店舗が担っていた多くの加工業務をプロセスセンターで一括処理が可能なので、店舗で加工する作業を減らすことができます。
例えば、野菜や水産物の袋詰め加工などをプロセスセンターで行い、加工したものを店舗に仕入れれば、すぐに店舗に陳列ができます。
このように、加工作業に費やしていた時間を、品出しや在庫管理などの他の業務に使えます。
(3)加工品質を全店舗で一定に保てる
プロセスセンターを活用するメリットの3つ目は、加工品質を全店舗で一定に保てることです。
インストア加工の場合は店舗ごとに加工作業員の技術にバラつきがあり、一定の品質で提供することが難しいデメリットがあります。
高い技術を持った加工作業員をプロセスセンターに常駐させることで、一定の品質の商品を店舗に並べることが可能です。
例えば、ある企業のチェーン店舗が複数あり、ある店舗ではきれいな食品が並んでいるのに、別の店舗では見た目が悪く、購入意欲が起きないという可能性もあります。
そのような場合、企業全体の信用に影響を与えてしまう恐れもあります。
全店舗の加工作業をプロセスセンターで一括して行えば、各店舗に一定の品質の商品を入荷することができます。
(4)自動機械配置により大量生産が可能
プロセスセンターを活用するメリットの4つ目は、自動機械配置により大量生産が可能なことです。
インストア加工のデメリットとして、調理スペースを大きく確保することが難しい点も挙げられ、加工を効率的に行うための専用の機械を配置したくても、大きすぎれば導入できません。
売り場面積のない加工や調理が専門のプロセスセンターであれば、大きな機械を配置できて大量生産が可能です。
例えば、機械による加工なら材料投入と払い出しの作業を人の手で行い、処理は自動化させることで業務効率を上げられ、作業員も少人数で済み人件費削減にも繋がります。
株式会社セントラルフーズの例をあげると、加工処理を機械化して生産性向上を実現しました。
また、機械を使用するのに慣れや熟練度を必要としないため、入ったばかりのパートさんも即戦力になり、より効率的な作業を実現しています。
出典:平井カンパニー/プロセスセンターで少量多品種生産の効率化を実現
このように、自動機械配置によって効率的に大量生産が可能です。
(5)商品開発のための研究をしやすく機密性が高い
プロセスセンターを活用するメリットの5つ目は、商品開発のための研究をしやすく機密性が高いことです。
インストア加工は消費者や従業員の出入りが多いため、情報管理が甘くなりがちです。
専門スタッフを常駐させることができるプロセスセンターなら、所によっては外部のセキュリティスタッフもいるので機密性が高くなります。
例えば、インストア加工では新商品開発のアイデアが店舗で生まれても、会社全体で共有がしづらいですが、プロセスセンターでの開発なら専門スタッフの間で意見を交わし、効率的な新商品開発が可能です。
このように、商品開発のための研究をしやすく機密性を高められます。
4.プロセスセンターの課題
プロセスセンターの導入における2つの課題についてご紹介します。
- 遠い店舗への配送に時間がかかり鮮度が保てない
- 加工や配送のための人員確保が必要
順にご紹介します。
(1)遠い店舗への配送に時間がかかり鮮度が保てない
プロセスセンターの課題1つ目は、遠い店舗への配送に時間がかかり鮮度が保てないことです。
プロセスセンターから近くの店舗であれば、鮮度がより保たれた状態の商品を配送できますが、遠くの店舗となると時間もかかり、鮮度が保てません。
多くの場合、プロセスセンターから店舗に並ぶまでに約1日を要するので、通常の配送方法では、鮮度の高い商品を消費者に提供することは難しいです。
こうしたデメリットは、配送トラックや倉庫を低温仕様にするために設備投資をしたり、センターの夜間稼働により早朝から配送を行うなど品質維持の創意工夫を凝らす必要があります。
遠鉄ストアの例を見てみると、プロセスセンターを夜間や早朝も稼働させることで、早朝におけるスーパーの鮮魚コーナーの豊富な品揃えを実現しています。
出典:遠鉄ストアの「おいしい」を支えるプロセスセンターをご紹介
また、野菜などで加工を必要とせずパッキングのみで陳列できる商品に関しては、部分的にインストア加工にするなどで、鮮度維持の工夫ができます。
例えば、パッキングの作業効率を上げるために袋とじ機を導入する方法もあり、袋とじ機は多くの食品プロセスセンターや店舗で導入されています。
部分的な内製化を取り入れることで、プロセスセンターの導入費用を抑えることにもつながります。
このように、部分的な内製化や鮮度を保つための設備投資も行うといった企業努力が不可欠になります。
(2)加工や配送のための人員確保が必要
プロセスセンターの課題2つ目は、加工や配送のための人員確保が必要なことです。
プロセスセンターを自社導入する場合には新たに従業員を雇う必要性があり、設備投資や加工作業員にかける人件費を回収するために、計画性のある役割分担をする必要があります。
例えば、人員確保の必要性を減らすために、生産効率を上げるための自動化できる機械を導入することも一つの手段です。
企業によりパッキングなどの時間を要する軽作業は、アウトソーシングの社員やアルバイトを雇うことが多く、機密性が薄れたり一人ひとりの作業効率にバラつきが出たりします。
これを改善するために導入する機械として、自動で袋とじができる機械があり、現状人の手でしかできない部分は手動で行い、人の手でなくてもできる部分は機械に任せることで、効率の良い役割分担ができます。
さらに、生産効率を上げるだけでなく、作業品質を一定に保つことができるので、好印象な見映えのいい商品を量産でき、消費者の満足度が上がることで投資した費用の回収もはかどります。
店舗側との連携から消費者はどのような食品を求めているかのニーズをくみ取り、自社の強みを育て、余計にコストがかかる分野は切り捨てるなど、店舗とプロセスセンターそれぞれの役割を明確にしていくことが大切です。
袋とじの工数削減ならマックスの自動袋とじ機がおすすめ
この記事では、プロセスセンターについてご紹介し、インストア加工やセントラルキッチンとの違い、活用するメリットと課題について説明しました。
農産物のパッキング作業においては、マックスの自動袋とじ機による袋とじの工数削減で、プロセスセンターの課題である鮮度を保つための早急な発送や生産性向上に伴う作業量の増加、人材確保の困難さや人件費増加などの課題を解決できます。
袋の種類やサイズも柔軟に対応ができ、袋詰めをするものによって対応できる機種も豊富なので、様々なニーズに応えられます。
マックスの自動袋とじ機を導入して業務効率化を図りましょう。
※マックス袋口結束機「コニクリッパ」・コニクリップ・マックス袋口結束機「エアパックナー」・パックナー・プラステープル・マックス充電式袋とじ機「モバイルパックナー」は、マックス株式会社の登録商標です。
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