バリューチェーンマネジメント
<製造・品質保証・調達>
マックスは、高品質かつリードタイムの短い製品づくりに向けて、グローバルな生産管理システムのもと、全員参加の5S活動やITを活用したトレーサビリティシステムによる強固な生産基盤を構築しています。
国内の製造拠点は、群馬県の玉村、藤岡、倉賀野、吉井の各工場、グループ会社が茨城県にマックス常磐(株)と兵庫県に(株)カワムラサイクルがあります。また、海外ではタイ、マレーシア、中国の深圳・蘇州で製造を行っているほか、中国の福建省漳州には(株)カワムラサイクルの中国工場があります。
国内 | 玉村工場 | 釘打機、エアコンプレッサ、鉄筋結束機、オートステープラ、電子事務機等 |
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藤岡工場 | ホッチキス針、オートステープラ用ステープル、タイワイヤなどの消耗品等 | |
倉賀野工場 | ホッチキス、エアコンプレッサのタンク等 | |
吉井工場 | 浴室暖房換気乾燥機、全熱交換型24時間換気システム等 | |
マックス常磐(株) | 各種コイルネイル、タイワイヤ等 | |
(株)カワムラサイクル | 車いす、福祉用品等 | |
海外 | MAX (THAILAND)CO.,LTD.(タイ) | ホッチキス、釘打機、タイワイヤ、オートステープラ、テープナー等 |
MAX FASTENERS(M) SDN.BHD.(マレーシア) | ホッチキス、ホッチキス針等 | |
美克司電子機械(深圳)有限公司(中国) | オートステープラ、電子事務機等 | |
美克司電子機械(蘇州)有限公司(中国) | 浴室暖房換気乾燥機等 | |
漳州立泰医療康復器材有限公司(中国) | 車いす、福祉用品等 |
マックスは、持続可能な社会の実現に向けて、責任ある調達の確保に取り組んでいます。
原材料や部品などのお取引先を、重要なパートナーであると考え、オープンで公正・公平な取引を通じた信頼関係の構築に努め、サプライチェーン全体での責任ある調達の確保を推進しています。
具体的には、「マックスグループ 取引先様 サステナビリティガイドライン」を策定し、お取引先への周知・浸透を図ることで、お取引先の仕入れ先などを含む調達にかかわるサプライチェーン全体での人権尊重、環境保全、法令遵守などの徹底をお願いしています。
また、本ガイドラインの遵守状況の確認や相互コミュニケーションのため、必要に応じてお取引先の工場等の現場に訪問します。場合によっては第三者の監査の形式をとることもあります。万一、本ガイドラインに反する問題が発生した場合には、迅速な報告と改善への取り組みをお願いしています。お取引先で適切な改善がなされない場合には、取引中止などの対応を行うこともあります。
5S活動による品質・コストの改善
マックスの工場では、全員参加の5S活動を展開しています。国内外の各工場では、毎朝、チームごとに、品質やコストについて協議を行うことで課題や成果を共有するとともに、5Sツアーを実施することで危険箇所の発見や作業環境の改善につなげています。また、国内においては、3ヶ月に1回、生産本部長の主導のもと5S研究会を開催し、各チームの活動の成果発表と評価を行っています。5S研究会には間接部門も参加しており、書類削減などの業務改革にもつながっています。
トレーサビリティシステムによる品質保証
マックスでは、ITを活用したトレーサビリティシステムを運用しています。国内外の工場において、サプライヤーからの部品受入れ、棚入れ、ピッキング、組立て、出荷まで、すべての製造工程で検査を実施し、製品の品質保証および生産システムの強化につなげています。
お客様に対するサプライチェーンの維持
マックスでは、大規模災害などのリスク発生時にも、お客様および当社の事業継続に重要な製品の供給を維持できるよう、製造拠点の複数化などの対応を行っています。また、サプライヤーに関しても重要部品の調達先を複数化するなどのリスク対策を講じています。
物流
マックスでは、お客様に製品をタイムリーに配送するため、国内に9つの配送拠点を設けています。国内で生産した製品の保管および輸送管理はマックス物流倉庫(株)が担っており、実際の輸送は、国内・海外生産品ともに外部の運輸会社に依頼しています。
<製品開発・知的財産>
製品開発・知的財産の両輪でオンリーワン・ナンバーワンを創出
マックスは、徹底した現場主義のもとユーザーニーズと技術シーズを融合し、設計者が製品コンセプト立案から実用化までのストーリーを描くことで、数多くのオンリーワン製品を創出してきました。また知的財産部門では、製品のセールスポイントを実現する発明技術の知的財産権を獲得し、競合他社がそのセールスポイントを実施できないように強い特許網を構築することにより、ナンバーワン製品としての地位を維持しています。
開発・知的財産の両輪で製品化を推進
鉄筋結束機「ツインタイア」の事例
マックスは1993年、世界初の充電式鉄筋結束機を発売し、現場の声を聞きながら改良を重ねることで市場拡大を図ってきました。2017年には、2本のワイヤを同時に送り出し、よりスピーディで強力な結束を可能にした「ツインタイア」を発売することで、世界市場におけるオンリーワン・ナンバーワンの地位を確立しています。
製品開発の方向性
マックスは、機械設計・電気電子・ソフトウエア設計の技術者を有しています。機械設計では3D設計による構造解析/動的解析の強化、電気電子・ソフトウエア設計では磁気解析や高速信号処理などメカトロ制御の強化を図るとともに、IoT技術を用いたソリューション開発に注力しています。
また、3D金属・プラスチック造形、CAM加工など試作加工設備の拡充を図るとともに、無響室・大型環境試験室・最新計測実験装置を導入するなど、研究設計作業の合理化を進めることにより、設計開発効率の向上を図っています。
製品開発の方向性として、①新事業の確立・事業拡大につなげる新製品の創出、②既存製品の競争力強化による事業ボリュームの拡大、③製品開発プロセス上流で設計品質を高め製品開発プロセス全体のリードタイムを短縮する、の3点を掲げており、2022年度の研究開発費は37億円、R&D比率は4.5%となっています。
新製品の製品開発プロセス
マックスは、お客様や環境に対する安全性の高い製品の提供に向けて、ISO 9001・ISO 14001に基づいた独自の基準のもとで設計管理を行っています。また、製品試験に関しては、CE、EN、ISO、JIS等の規格変更や市場情報に基づいた独自基準のもと、環境試験、騒音振動試験、電波障害試験、材料強度試験、落下試験、使用環境下における絶縁試験、温度上昇テスト等を実施しています。
社会課題の解決に向けた製品開発(環境保全)
マックスは、RoHS指令を超える含有禁止物質に関する規定をはじめ、リサイクル・省資源・省エネルギー等の独自基準に基づいた製品アセスメントを実施しています。2019年度からは、SDGs(持続可能な開発目標)の視点を取り入れた目標を設定しています。
社会課題の解決に向けた製品開発(労働人口の減少)
マックスは、先進国における労働人口の減少などの社会課題解決に向けて、省力化・自動化・ロボット化などの技術開発を加速させるため、独自技術の開発に加え、大学や外部機関とのオープンイノベーションも推進しています。2020年は、腰を曲げることなく立ったまま使用できる鉄筋結束機「ツインタイア ウォーカーモデル」を発売しました。人体モデル解析によって体への負担を数値化するなど、労働環境の改善や作業の効率化に貢献する製品開発を行っています。
知的財産の保護
マックスのオンリーワン・ナンバーワン製品としての地位を確立するために、知的財産の保護を重点課題として取り組んでいます。
当社では、世界各国の法制度を把握するとともに、弁理士・弁護士と協働して各国に合致した強い権利化を図っています。さらに、模倣品や権利侵害品のモニタリングも行い、各国の弁理士・弁護士と協働してマックスの知的財産を保護する活動をしています。
<販売・サービス>
マックスは、ホッチキス・表示作成機などのオフィス製品、釘打機・鉄筋結束機などの機工品、農業用誘引結束機、浴室暖房換気乾燥機など様々な事業を展開していますが、いずれの販売・サービスにおいてもお客様の現場を訪問し、直接お話をうかがうことを基本としています。また、社員の評価に関しても、売上などの定量的な評価だけでなく、お客様の課題解決や新たな提案に至ったプロセスを評価する風土が醸成されています。
お客様の声の共有
マックスの販売、商品企画、カスタマーサポート部門が得たお客様の声は、月1回のミーティングで共有され、課題解決につなげています。また、それらの情報はイントラネットにも掲載され、部門を超えて閲覧できるようになっています。
品質改善の取り組み
マックスでは、新製品発売後の数ヶ月を「ホットライン」期間とし、製品開発および品質保証の両部門がお客様を訪問して、ニーズや課題に即応する仕組みを構築しています。これは、お客様満足度の向上だけでなく、リコールなどの発生予防にもつながっています。通常のサポートにおいても、故障等の発生時には現場でのお客様の使用状況も確認することで、根本的な課題解決につなげています。
安全な使用に向けた啓発
マックスでは、製品の安全性向上に努める一方、釘打機や鉄筋結束機などを安全に使用するためのビデオの制作・配布、安全講習会の開催などを行っています。
豊富な知識に基づいた提案
マックスでは、お客様の仕事に関する豊富な知識をもとに提案を行っています。農業用誘引結束機などのAF(Agriculture & Food)分野においては、青果物の品種・栽培方法・流通などの知識をもとに、農家からスーパーマーケットまで、サプライチェーン全体に貢献する提案を行います。