事業を通じた社会課題の解決

現場主義が社会課題の解決へ

マックスの徹底した現場主義に基づくモノづくりの姿勢は、数多くのニッチ市場でオンリーワン・ナンバーワン製品を生み出し、健康で安全・安心な暮らしや仕事環境の実現に貢献しています。

身体的負担の軽減・人手不足への対応

充電式鉄筋結束機「ツインタイア」

1993年、マックスが世界初の充電式鉄筋結束機を発売しました。発売以前、建設現場における鉄筋結束作業はハッカーという工具を使って、手作業で行われていました。発売後、鉄筋結束機は数回のモデルチェンジを経て、2017年、2本のワイヤで結束を行うツインタイア機構を開発、結束力の強化・結束時間の短縮を実現し、市場における圧倒的ナンバーワンの地位を確立しています。さらに2020年には、立ち姿勢のまま歩きながら結束作業が行える「ツインタイア ウォーカーモデル」を発売しました。鉄筋結束作業は炎天下で行われることも多く、鉄筋工の高齢化や人手不足が進行するなか、「ツインタイア」は、身体的負担の軽減と作業時間の短縮を同時に実現する画期的な製品です。
また、「ツインタイア」シリーズは、国土交通省が新技術の活用のため、新技術に関わる情報の共有および提供を目的として整備したデータベース「NETIS(新技術情報提供システム)」にて、安定的活用効果の見込まれる技術と評価され、「VE評価」登録となりました(NETIS登録番号 KT-180090-VE)。さらに、優れた技術として「活用促進技術(新技術活用評価会議(中部地方整備局))」にも選定されています。

手作業(ハッカー比)

腰部椎間板圧縮力 約40%低減
作業による消費カロリー 約85%低減
作業時間 約40%低減

※当社調べ

工具のサブスクリプション・レンタルサービス『レンツール』

『レンツール』は、ユーザーが状況に応じてサブスクリプションまたはレンタルのどちらかを選び、工具を使用することができるサービスです。
工具の初期導入費用を抑えることで、若年層の入職のハードルを下げ、大工人口の減少という社会課題の解決に貢献します。また、さまざまな工具を試す機会を提供することで、若年層大工のスキルアップをサポートし、定着の支援につなげていきます。
本サービスは、社内ビジネスコンテスト「第1回新規事業創出プロ」にて生まれたサービスです。「若手大工の離職率が高い」「新たな大工のなり手が不足している」という課題を解決し“住宅市場が活気づき、いい街づくりが加速する社会の実現”を目指すべく事業化しました。

環境に配慮した取り組みの推進

省エネ活動によるCO₂排出量の削減推進

マックスでは、CO₂排出量の削減を経営目標に掲げ、設備投資と連動した省エネルギー施策を積極的に推進しています。具体的には、太陽光発電の設置による電力の脱炭素化、トップランナー基準に適合する受電施設(変圧器)や空調機器への更新による運用効率の向上と同時に、工場での消費電力の低減活動に取り組んでいます。
国内外の生産拠点では、従業員の気づきや改善を重ねる草の根活動(チリツモ改善)を大切にしたチーム活動を推進し、活動成果は四半期ごとに開催する省エネ活動報告会で発表し、拠点間でのノウハウの共有から横展開を進めています。
加工・組立の現場では圧縮空気を動力源に使用しており、エアコンプレッサーが多くの電力を消費します。エア漏れ修理によるロス削減に加え、加工工程でのエアブローに着目し、パルス式ブローや減圧機器の導入によりエア消費量を抑制してコンプレッサーの使用電力の削減につなげることができました。
また、樹脂成形機や洗浄装置では加熱部からの放熱が無駄な電力消費と職場環境の悪化を招いていました。加熱部に断熱材を施すことで、放熱の抑制と保温を図って、電力削減と職場環境改善の両立ができました。
今後も設備投資と同時に現場改善を大切にし、全員参画による持続的な草の根活動を推進して、社員一人ひとりの環境意識の向上を図っていきます。

エアコンプレッサーの消費電力削減
成形機加熱部に断熱材を巻き付け

鉄の使用量の削減

鉄筋結束機は、鉄筋コンクリート造のビルやマンション、道路、橋、住宅基礎などの建設現場において、鉄筋の結束作業が必要とされる場面で使用されています。
マックスは、1993年に世界で初めて充電式鉄筋結束機を発売して以来、製品の改良を重ねてきました。なかでも、2017年に発売した「ツインタイア」は、手作業が多かった鉄筋結束の現場を大きく変え、国内外の建設現場の作業効率向上や作業者の身体への負荷軽減に貢献しています。また、特大径モデルなどの新製品の発売により、幅広い用途に使用できるラインアップが揃い、さらなる作業効率向上を図っています。
「ツインタイア」は、従来機※1と比較して、結束力、結束スピードなどの性能が大幅に向上したことに加え、1結束当たりに使用するワイヤ量の削減も実現しています。従来機※1では1本のワイヤで結束していたのに対し、「ツインタイア」は2本のワイヤを同時に送ることで、1結束当たりに使用するワイヤの重量が約半分※2になりました。ワイヤの原材料である鉄の使用量を削減することで、環境負荷の軽減に寄与しています。

  • ※1 リバータイア「RB-399S」
  • ※2 リバータイア「RB-399S」でのD13×D13の3周巻結束時とツインタイア「RB-442T」でのD13×D13結束時の比較

バイオマス素材の活用

袋とじ機「エアパックナー」と「コニクリッパ」の専用消耗品として、バイオマス素材を配合した「バイオマス ブラステープル」と「バイオマス コニクリップ」を開発しました。
従来は石油由来のプラスチックを使用していましたが、植物由来のバイオマス素材を配合することで、環境負荷の低減を図っています。

誘引結束機「テープナー」用 紙テープ・生分解テープ

これまで使用後のテープは、自然に分解されないため、枝や茎などの残渣とともに焼却処分されるか、使用後のテープを拾い集めることもありました。近年は焼却規制がある地域も増え、環境配慮の観点から、使用後のテープを土中へ埋めることへの抵抗感の高まりがあり、拾い集める手間も生産者の負担となっています。
紙素材を使用した「紙テープ」は土に埋めると約3カ月で分解、生分解性樹脂を使用した「生分解テープ」は土に埋めると微生物の働きで分解され最終的に水と二酸化炭素になります。これらのテープを使用することで、環境負荷を軽減しつつ、地面から拾い集める手間を削減しました。また、製品個箱の素材に森林保全に配慮した紙とバイオマスインキ※を採用しました。


※バイオマスインキは、生物由来の資源を原料の一部に使用して製造したインキで、原料の植物が成長過程でCO2を吸収します


環境配慮と地域産業活性化の取り組み

脱プラスチックなど環境に配慮したサステナブル文具シリーズ「Re:max(リマックス)」シリーズとして、本体カバーに「革」と「木」の素材を採用したホッチキスを販売しています。材料となる端材を提供する企業との共同企画で、カバンや家具の制作過程で出る端材をアップサイクルし、職人の熟練の技術により手作業で完成させています。これまで使い道に困っていた端材の活用による環境への配慮に加え、共同先との協業により地域産業の活性化にもつなげていきたいと考えています。

革のホッチキス

兵庫県豊岡市にある Maison Def (メゾンデフ)との共同企画です。
マックスが考えていた環境に配慮した素材の活用による地域産業の活性化と、 Maison Defのカバンの制作過程で出る端材を活用して新たな価値を生み出したいという考えが合致し、本製品が実現しました。革はKOBE LEATHER®やトリヨンレザー(牛革)を使用し、斬新な色やトレンドカラーを展開しています。構造材と装飾を兼ねているリベット(締結部品)がデザインのアクセントとなっています。

木のホッチキス

木工産業が盛んな地域である岐阜県高山市の木と暮らしの制作所、kochi(コチ)との共同企画です。木と暮らしの制作所が提供する木材は飛騨高山の森で採れる広葉樹で、家具の制作で使えなかった部分をアップサイクルしています。kochiの木工職人が手作業で、一つひとつ丁寧に仕上げています。今回使用する樹種はヤマザクラ、クリ、クルミ、ブナの4種類です。

自然との共生と地域社会への貢献

マックスでは、マックス高崎(株)とマックス物流倉庫(株)が本社を置く吉井拠点の緑地の整備に取り組んでいます。吉井拠点の設立当初から開発区域の一部を緑地、広場等として管理し、直近では「自然との共生を自分たちで実現しよう」というコンセプトを掲げ、社員有志で緑地の維持・改善を進めています。
2025年3月期には、歩道にはみ出した枝や緑地の樹木の剪定、草刈りを実施しました。切り落とした枝は廃棄せずに自分たちでウッドチップを製作し、緑地の一部に敷き詰めることで資源の有効活用を進めています。また、木々に巣箱を設置して野鳥を呼び込み、腐葉土エリアを設けて昆虫を招き寄せるなど、生き物にとって居心地の良い自然豊かな環境を整えています。
さらに、吉井拠点の外周にはマックスが所有する桜が並ぶ、約600mに及ぶ河川遊歩道があり、定期的なゴミ拾いや桜に巻きつくツタ・クズの除去を行い、地域住民の方々の憩いの場として利用できるようにしています。
今後は、緑地内に遊歩道を通し、中央広場を設置する計画があり、バーベキューなど社員交流の場としての活用を想定しています。取り組みを継続・進化させることで、「自然との共生」と「地域社会への貢献」を推進するとともに、社員のエンゲージメント向上にもつなげていきます。

労働災害の低減

安全表示・人づくりコンテスト

マックスは労働災害の低減に向けて、表示作成機「ビーポップ」で作成した表示物の工夫を競う「安全表示・人づくりコンテスト」を毎年開催しています。表示や取り組みを職場の皆で考え、工夫する「自主活動」を通じ、働く皆さまの安全意識の向上(人づくり)につなげることを狙いとしています。コンテストの根幹にあるのは「自発的な」改善活動で、これは、マックスの経営基本姿勢でもある「いきいきと楽しく力を合わせ、皆揃って成長していく集団を目指す」という理念にも通じています。マックスは、「明るくいきいきとした職場風土づくり」を通じて、労働災害の低減に貢献していきます。

快適な住環境づくりとヒートショック事故のリスク低減

浴室暖房・換気・乾燥機「DRYFAN」

マックスの浴室暖房・換気・乾燥機「DRYFAN」は、1985年の発売以来、900万台以上(累計生産台数)ご利用いただいています。アパート用、マンション用、戸建用など、それぞれに合わせた製品を取りそろえるとともに、プラズマクラスタ―※1技術搭載機などもラインアップすることで、国内シェアNo.1※2ブランドとしての地位を確立しています。高齢化に伴って増加するヒートショック事故のリスク低減に貢献しています。

  • ※1プラズマクラスターロゴ(図形)およびプラズマクラスター、Plasmaclusterはシャープ株式会社の登録商標です。
  • ※2住宅設備・建材トレンドデータ便覧2024 電気式浴室暖房乾燥機市場メーカーシェア(2023年度実績)株式会社富士経済調べ 2024年6月現在

車いすを通じた社会貢献活動

マックスグループの(株)カワムラサイクルでは、 1995 年の会社設立より、介助者や利用者の生活シーンに合わせた車いすの開発を進め、快適な暮らしづくりに貢献してきました。車いすは単に便利なものというだけでなく利用される方にとって生活をする上で必要不可欠な福祉用品です。そのような福祉用品を取り扱うメーカーとして少しでも困っている人の力になりたいという想いから、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。これからもカワムラサイクルは、車いすの開発・生産・販売を通じて、充実した暮らしを支えられるように努めてまいります。

「車いすレンタルサービスbyベビカル」協業開始

「車いすレンタルサービスbyベビカル」は、㈱ジェイアール東日本企画が展開する、予約ができ、外出先でも利用可能な車いすのレンタルサービスです。
マックスとマックスグループの㈱カワムラサイクルは、同社と協業し、2026年2月に「国分寺駅」「府中本町駅」の2駅でサービスを開始しました。㈱カワムラサイクルの介助用車いす「STAYER(ステイヤー)」や「WAVIT(ウェイビット)」などが、駅・ホテル・商業施設などで導入され、利用者の移動をサポートしています。
また、2026年6月には、福祉用具貸与事業所でも車いすをレンタルできるサービスを開始し、利用シーンの拡大を図っています。
今後も、車いすレンタルサービスの拡大を通じて、移動にサポートを必要とするすべての方が、より自由に、安心して外出できる社会の実現に取り組んでいきます。

特別支援学校の職場体験受け入れ

2024 年 3 月に特別支援学校の職場体験を受け入れました。特別支援学校が各生徒の居住地域で受入先の企業を探している中、カワムラサイクルに職場体験の依頼が届きました。初めての依頼だったため、不安もありましたが、生徒1名の職場体験を1週間受け入れました。
職場体験では、カワムラサイクルについて知ってもらうことを目的に会社の案内から始まり、さまざまな事務作業を体験、最後に若手社員とディスカッションを行いました。実際に業務を体験してもらうことはもちろんのこと、社会人として最も大切なことの一つである「挨拶」をテーマに取り組んでもらいました。
今回の受け入れを通じて、生徒の積極的な挨拶や職場体験に取り組む姿勢が従業員の刺激になると同時に、社会貢献に通じる仕事をしていることをあらためて認識する機会になりました。

車いすの寄贈

2023 年 3 月、ロシアの軍事侵攻を受けているウクライナへ車いすを送る支援活動を行っているボランティア団体と連携し、新品の車いすを 10 台寄贈しました。現在も、全国から寄付される車いすを現地に送る際の外箱梱包材を通じて、支援を継続しています。
さまざまな支援活動を行うことで、より多くの人々にカワムラサイクルの車いすを役立てていただきたいと考えています。

地域社会貢献の取り組み

障がいのある方への就労支援として、ホッチキス針の箱詰めや、車いすの取扱説明書の袋詰め作業を委託しています。

教育への貢献

中学生の企業訪問受け入れ

修学旅行の一環として、2026年6月に中学校の生徒10名の企業訪問を受け入れました。
訪問当日は、ホッチキスを開発したきっかけやSDGsについて会社として取り組んでいることなど、文具やサステナビリティを中心とする生徒の事前質問への回答に加えて、マックスの幅広い製品に実際に触れていただく場を設けました。
ホッチキスだけでなく、釘打機や鉄筋結束機などの建築・建設工具、農業・食品包装機器、住宅設備機器、車いすまで、マックスがどんな形や場面で世の中の役に立っているかを実感してもらうことを企図しました。
製品を体感した際の生徒の驚きの声と笑顔は、マックスが世の中の暮らしや仕事に貢献していることを改めて感じる機会にもなりました。今後も、このような学生受け入れなどの取り組みを通じて、マックスをより多くの人に知ってもらい、企業価値の向上につなげていきたいと考えています。