空気でなぜ釘が打てるの?

エアコンプレッサで圧縮された空気(4~8気圧、スーパーネイラは15~25気圧)を、ホースでネイラの本体に運びます。
トリガ(引き金)を引くと、圧縮された空気は一気にシリンダ内に入ります。
シリンダの中のピストンにはドライバがついており、それが釘の頭を叩き、釘を打ち込みます。
ネイラは一秒間に何本もの釘を連続して打つ機械です。
ここで、打つメカニズムを順を追って説明しましょう。
ネイラのメカニズム
釘を打ち込み、次の釘が打てる状態にするまでを、1サイクルとして説明しています。

釘を打ち込む
- 1トリガを引く。
- 2トリガに連動してバルブが上がる。
- 3ヘッドバルブ上部の空気が抜ける。
- 4ヘッドバルブが持ち上がる。
- 5圧縮空気はヘッドバルブ下部を通り、シリンダ内へ流れ込む。
- 6ピストンを押し下げる。
- 7ピストンと連動したドライバが、釘やステープルを押し出す(釘を打つ)。
- 8打ち込みに使ったシリンダ内の空気の一部は、外側の空気室に流れ込む。

次の釘を打ち込むための準備
- 9トリガをはなす。
- 10トリガに連動してバルブが下がる。
- 11ヘッドバルブ上部へ圧縮された空気が流れ込む。
- 12ヘッドバルブを押し下げる。
- 13空気はヘッドバルブ上部を通り、排気口から空気が抜ける。
- 14ピストンが戻ろうとする。
- 15空気室に溜まっていた空気が、シリンダ内に流れ込む。
- 16ピストンは上部まで押し上げられ、ドライバは元の位置に戻る。
なぜネイラは空気式なの?
空気は、私たちの周りに無限にあります。
それが、ネイラの動力源です。
圧縮された空気(エア)を一気に開放することにより、大きなエネルギーが発生します。
その瞬発力は非常に強力です。
また、空気の回路で成り立っているメカニズムはシンプルなので機械の故障が少なく、重量は軽くできます。
釘を打った後の圧縮された空気は、ゴミや有害な物質を作り出すことなく、すぐに私たちの周りの空気と溶け込みますので大変クリーンな動力源と言えます。
ネイラを電動式にした場合、本体にモーターなどを積むことで重量は重くなり、バランスが悪くなります。
また、電気エネルギーは熱を持つので、連続作業には適しません。
仮に火薬を動力源とすると、日本では銃刀法により毎年の届け出が必要です。
また瞬発力は高いのですがパワーを制御しづらいため、毎日、何百、何千本という釘やステープルを打つたびに大きな音や危険が隣合わせとなります。
このように、ネイラが空気式を採用しているのには、ちゃんとした理由があります。
釘打機の安全性
様々なサイズの釘やステープルを、瞬時に連続的に対象物に打ち込み接合するのが、ネイラの役割です。
ネイラは、プロが毎日使う道具、予測できる危険を事前に察知しそれを回避させることが、製品開発上の最も重要なテーマとなっています。
ネイラの安全機構

- メカニカル安全装置
- 作業中あやまってトリガ(引き金)を引いても、先端のコンタクトアームを対象物にあてなければ、釘は発射しない仕組み。

- トリガロック装置
- トリガをロックすることにより、不用意にトリガ(引き金)に指が触れてもネイラは作動しない仕組み。

- DS(ダブルシーケンシャル)バルブ方式とST(シーケンシャルトリガ)方式
- 釘を打った後、トリガをはなしてから、もう一度トリガを引き直さないと作動しない仕組み。
- ※ネイラの安全性は、直接的・間接的に幾重にも確保されていますが、使用前には、必ず取扱説明書をご覧頂きますようお願いいたします。
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