農業とSDGsにはどんな関係性がある?環境にやさしい資材も解説

「農業の現場で環境に配慮した取り組みをするにはまずはどうしたら良い?」
「SDGsへの貢献は中小規模の農家でも可能なのだろうか」
近年、気候変動や海洋汚染といった課題を背景に、農業分野でも環境対応が注目されています。特に廃棄に手間がかかるビニール資材や、分解されず土壌に残るプラスチック資材の問題は、避けては通れないテーマとなっています。
こうした流れの中で、マルチフィルムや誘引用テープといった製品でも、生分解性や紙製など「環境対応型資材」が実用性と環境の配慮を両立する選択肢として広がりつつあります。
この記事では、農業とSDGsの関係をあらためて整理しながら、現場で導入しやすい環境対応資材の種類やメリットについて解説します。ぜひ最後までお読みください。
1.農業資材にも「環境対応」が求められる時代
近年、農業分野においても「環境への配慮」が重要なキーワードとなっています。特に従来使われてきたプラスチック資材がもたらす課題に対し、持続可能な代替手段を模索する動きが活発化しています。
(1)SDGsと農業の関係性
気候変動や資源の枯渇など、地球規模の環境問題が深刻化する中、国際的には脱炭素や循環型社会の実現に向けた取り組みが進んでいます。2015年に定められたのが、持続可能な開発目標(SDGs)です。
SDGsの17の目標のうち、多くが農業と密接に関わっており、「つくる責任、つかう責任(目標12)」は農業においても持続可能な生産方法や資材の使用が求められることを意味しています。たとえば、使い捨てのビニール資材を再利用可能または生分解性のものに切り替えるといった取り組みは、この目標に直結します。
また、「気候変動に具体的な対策を(目標13)」では、農業由来の温室効果ガスの削減や異常気象への対応が課題とされています。具体的には、堆肥の適正利用によるメタン排出の抑制、高温や豪雨に対応した作物選定、圃場の排水対策といった事例が挙げられます。
農業は自然と共に成り立つ産業であり、その持続可能性を意識することは、結果的に自身の営農の継続性や地域の未来を守ることにもつながります。今や「環境への配慮」は、一部の大規模農家や有機農家だけでなく、あらゆる規模や品目の生産者にとって共通のテーマとなっています。
(2)従来のプラスチック資材の課題
農業の現場では長年にわたり、ビニールハウスやマルチフィルムなどにプラスチック製資材が使用されてきました。しかしこれらは廃棄時に焼却処分が必要となり、二酸化炭素の排出や処理負担が課題となっています。
2.環境にやさしい資材を選ぶメリットとは?
環境への配慮が求められる今、環境対応型の資材を使うことは単に環境にいいというだけではなく、以下のメリットが得られます。
- 企業イメージの向上とSDGs対応
- 廃棄物の削減と処理コストの軽減
- 作業効率の向上や省力化につながる
(1)企業イメージの向上とSDGs対応
農業の現場において、商品の安全性や味だけでなく「どのような姿勢で作られたか」についても消費者や取引先からの信頼を高めるうえで有効な手段です。
また、環境に配慮した資材を積極的に取り入れていることは、CSR(企業の社会的責任)を果たす姿勢としても受け取られ、企業ブランドの価値を押し上げる要素になり得ます。販促ツールやWebサイトなどでその姿勢を発信することで、差別化の効果も期待できるでしょう。
(2)廃棄物の削減と処理コストの軽減
環境対応型資材を使用するメリットは、廃棄量の削減や処理コストの軽減もあります。たとえば、従来のビニールマルチやポリプロピレン製テープなどは、使用後に回収・分別・焼却といった手間が発生し、その都度コストや作業時間がかかります。加えて、廃棄物処理に関する法規制の強化も進んでおり、将来的にその対応が農家の負担となる可能性も否めません。
一方、生分解性や紙製の資材であれば土に残らないため、廃棄の手間が大幅に軽減されます。現場で発生するごみの量が減ることで、保管スペースの確保や収集運搬にかかる手間も削減でき、結果的に人件費や外注費を抑える効果も期待できます。
(3)作業効率の向上や省力化につながる
農業用環境対応型資材は、そのまま土壌にすき込めるタイプもあり、廃棄の手間を省略できる点が魅力です。
このように1つの作業にかかる時間が短縮されることで、他の作業に人員を回したり、パート従業員の稼働時間を最適化したりと、労務管理の柔軟性も高まります。農業のSDGsだけではなくコスト削減と同時に、働きやすい職場づくりにもつながる可能性があることが環境対応型資材のもう一つの価値といえるでしょう。
3.広がる環境対応型資材の選択肢
農業現場におけるSDGs達成に向けた取り組みが広がる中で、従来のプラスチックや化学資材に代わるさまざまな「環境対応型資材」が登場しています。代表的な環境適応資材は以下の5つがあります。
- 有機質肥料
- 生物農薬
- 生分解性マルチフィルム
- 微生物資材(土壌改良や病害抑制)
(1)有機質肥料
有機質肥料は、家畜ふん尿、落ち葉、魚かすなど動植物の残渣や副産物を利用した自然由来の肥料です。土壌中の微生物を活性化させ、土の生物多様性を維持向上させる効果があります。また、有機物の一部が土に残り、保水性や通気性が高まります。その結果、根の張りを抑止、病害への抵抗力を高める作用も期待できます。
(2)生物農薬
生物農薬とは、病害虫を退治する有用な微生物や昆虫を活用し、防除する資材です。農薬の有効成分として、微生物や昆虫などを生きた状態で製品化したものを指し、化学農薬に比べて残留リスクが少ないため、消費者の安全志向にも応えられます。農薬のように一度で強い効果を出すのではなく、生態系のバランスを保ちながら害虫を抑える仕組みが特徴です。
たとえばアブラムシに対してテントウムシを放つなど、自然界のメカニズムを活用します。化学農薬に頼らずに栽培管理ができるため、環境負荷が小さく、農薬残留への懸念も減らすことができます。効果の安定性や気象条件の影響を見極めながら、計画的に取り入れることが重要になります。
(3)生分解性マルチフィルム
生分解性マルチフィルムは、使用後に土壌中で微生物の働きにより分解されるため、そのまま鋤き込むことが可能です。
作業時間の短縮や省力化に加え、プラスチックごみの発生を抑えられるという環境面でのメリットも大きく、多くの自治体や生産者団体でも導入が始まっています。特に露地野菜や水稲、園芸作物など広い面積を扱う現場では作業負担の軽減効果が期待できます。
ただし、分解速度は土壌条件や気温に影響されるため、使う環境に合った製品の選定が重要です。最近では製品ごとに分解特性を調整したラインナップも増えており、より柔軟な選択が可能になっています。
(4)微生物資材(土壌改良や病害抑制)
土壌中の善玉菌や有用微生物を活用した微生物資材は、養分供給の効率化・養分吸収の向上・土壌の改良・化学農薬・化学肥料の削減等が期待されます。たとえば、植物の根の周囲に定着する微生物が、有害な菌の侵入を防ぎ、栄養分の吸収を助けることで健康な生育を支えるといった働きがあります。
また、微生物の働きで土壌pHの安定化や有機物の分解促進が図られ、肥料成分の吸収効率も向上します。化学肥料や農薬の使用量を抑えつつ、収量や品質の維持が可能になるため、環境と生産性のバランスを取りたい現場にとって魅力的な選択肢です。
4.果樹や野菜の誘引結束機「テープナー」用テープにも注目
環境対応型資材の中でも、比較的手軽に始めやすいのが「誘引資材」の見直しです。テープナー用テープは、果樹や野菜の枝・つるを支柱やヒモに固定する作業で用いられるため、使用頻度が高く、年間を通じて大量に使用されます。よって、誘引用テープの見直しは、SDGsの観点から廃棄量の削減や環境負荷の低減に大きな効果が期待できます。
- テープナー用紙テープの特長
- 生分解テープの特長
(1)テープナー用紙テープの特長

マックス株式会社のテープナー用紙テープは、、従来のテープナー用テープと比較して、廃棄処理が容易で環境にやさしいという特長があります。使用後は可燃ごみとして処理可能で、焼却施設での負荷も少ないため、廃棄に関する手間やコストを抑えることができます。
また、土中で自然に分解されるため、万が畑に残ってしまっても、土壌への悪影響が起こりにくいのも大きなメリットです。
(2)生分解テープの特長

マックス株式会社の生分解テープは、最終的に水と二酸化炭素に分解されます。土壌環境や気温、天候によって異なりますが、土に埋めてから約2〜3カ月ほどで分解が始まります。
従来のTAPE-15、TAPE-200R、TAPE-200L以上の十分な結束強度を持っているため。幅広い作物にご使用いただけます。
環境に配慮した誘引テープならマックス株式会社へ
この記事では農業とSDGsの関係や環境にやさしい資材を使用することのメリットについて解説しました。また、SDGsに向けた一歩としてテープナー用紙テープや生分解テープといった誘引資材もご紹介しました。
マックス株式会社では、環境に配慮した農業資材の開発・提供を通じて、持続可能な農業の実現をサポートしています。テープナー用紙テープ、生分解テープの導入をご検討の方はぜひマックス株式会社のHPをご覧ください。
※誘引結束機「テープナー」はマックス株式会社の登録商標です。
