現状の課題
私たちは日ごろから職人さんがコンプレッサの「何」を重視して購入・使用しているかを職人さん調査・アンケート・各営業との情報交換会を実施し確認しています。そこでは、「壊れずに信頼できるコンプレッサが良い」「安心して使えるからマックスを購入している」といったような「コンプレッサへの信頼」を重要視している声が多く聞かれます。また、その中には「出来るだけ長く修理せずに使用したい」「なるべく修理に出したくない」といった職人さんからの要望もありました。実際に修理のデータを調べてみると、「充填が遅い」「汲まなくなった」といった症状で修理入庫しているケースも一定数あります。今回私たちはここに着目し、性能を維持することによって、マックスのコンプレッサの信頼性の更なる向上にもつながると考えました。そこで性能を維持する機能の開発に取り組みました。
市場調査と分析
まず、市場で使用された数多くのコンプレッサを回収させていただき、性能と内部損傷の様子を分析しました。その中で、内部の損耗がわずかでも性能がダウンしているケースが多くみられ、これらは圧縮機の吸入フィルタの清掃や交換を行うことで、ほぼ元通りの性能に復元されることが判りました。コンプレッサは現場の過酷な環境で使用されることが多く、実際にほとんどの回収品で粉塵堆積が確認できました。これは、フィルタの清掃がコンプレッサの性能維持に極めて重要な役割を果たすことを示していました。
最適な清掃方法の模索
フィルタの清掃方法についても詳細に研究を進めました。詰まった粉塵を効果的に除去するにはエアブローが良いと考え、コンプレッサ自身で作ったエアを用いることにしました。効果的な清掃方法として、吹付方向やエア圧など様々なアプローチを試みました。試行錯誤の末、内部から外向きに吹き出す方法が最も清掃効果が高いことを掴み、より効果的かつ効率的に清掃できる手段が固まりました。
プッシュDメンテの導入と期待する効果
この新しい「プッシュDメンテ」機能の搭載により、職人さんがフィルタ清掃を簡単に行うことができるようになり、コンプレッサの高い性能を維持することができます。さらに、プッシュDメンテ機能による定期清掃は、コンプレッサ内部への異物侵入リスクを大幅に軽減できるため、故障リスクの低減にも貢献します。
「プッシュDメンテ」はちょっとひと手間かかりますが、そのひと手間が、長期的な性能維持に大きな効果をもたらします。ぜひお試しください。
吐出量への
根強いニーズとジレンマ
建築現場では、剛床施⼯や⽯膏ボード施⼯、外壁下地施⼯などで⽣じる⼀部の連続釘打ち作業において慢性的にエア不⾜が発⽣しています。それらの作業のスピードはコンプレッサの性能に依存しており、コンプレッサタンク内の圧⼒が下がってきてしまうと作業を中断してエアが溜まるのを待つか、他の段取り作業などをしてエアが溜まるのを待つという現場の実態があります。
地道な調査から
わかったこと
実⽤化に先駆けて⾏われる調査活動はとても地道です。AK-1110E2シリーズ開発プロジェクトを⽴ち上げる際に開発チームで数多くの現場を調査しました。⾃分たちがこれまでに開発した製品がどのように評価されているのか、何が喜ばれ、何が残念に思われているのか。また、聞き取りだけでは明らかにならない職⼈さんが⾔葉にしない事実を求めて職⼈さんの動作をつぶさに観察し続けました。
職⼈さんが本当に
求めているのは吐出量ではなく
作業量だった
今⽇、建築現場で使⽤される釘打機は、⼤気圧を20倍程度に圧縮した⾼圧エア2.0Mpa帯の⾼圧を動⼒源とする⾼圧エアネイラが主⼒となっています。⾼圧エアネイラは機種にもよりますが、概ね1.2Mpaから2.3Mpa帯の圧⼒で適切に作動するよう設計されており、1.2Mpa未満の圧⼒帯は使えません。つまり、2.0Mpa帯以上のエアを溜める時の吐出量が釘打ち作業における作業量(打てる釘の本数)に直結するのです。AK-HL1310Eでは、作業量アップ実現のためにモータを1から⾒直し、⾼圧域吐出量アップにチャレンジしました。
⾼圧吐出量アップの実現
作業量を向上させる為に⾼圧域吐出量をアップさせるには、駆動源であるモータのパワーアップが必須でした。しかしパワーはいつもサイズや重量とトレードオフです。限られたスペースに収め、重量を増やさずパワーを出すのは、過酷な要望でした。そこで、今回は開発初期からモータメーカと協働でモータ開発を⾏い、コンプレッサに最適なモータを⽬指しました。モータは、構造が簡単で部品も少なく、圧倒的な性能差を出すことが難しい事を再認識させられながら、電線の巻き⽅や磁⽯の選定・配置など、試⾏錯誤しながら設計・試作を繰り返しました。
現状のデザインが
適している状況
マックスのコンプレッサは、これまでとても⻑い期間、エアチャックがタンクの前側に配置されたレイアウトを採⽤してきました。これまでの機械のプロポーションは、⼟間の下駄箱が設置される細⻑いスペースなどに置いて使う場合に合理的な形状です。
現状の課題①
⼀⽅、調査を通じて職⼈さんの困りごとやニーズが明らかになってきました。
① リビングスペースでコンプレッサが邪魔になるリビングスペースにコンプレッサを置いた時に壁に寄せて機械を置くと機械が熱くなってしまいエラーが出る。壁に直交して置くと機械が壁から張り出して邪魔になる。
現状の課題②
② ⼯具・資材の落下などでカバーの⾵窓部が割れてしまう⾵窓部は、他の箇所と⽐較してどうしても強度が弱い部分です。思いがけず⼯具などを落としてしまい割れてしまったという職⼈さんの声を何度も聞いたことがありました。
③ ⾞載時、天⾯にものを載せられない⾸都圏の職⼈さんは、狭い現場に適した軽バンを作業⾞にされています。たくさんの荷物を積むために⾞載率を出来るだけ上げたいという思いがありますが、現在のコンプレッサは、カバーの形状が流線形になっているため上に物を載せる事は出来ません。
本当に使いやすい
レイアウト・デザインの追求
上記の職⼈さんの声から明らかになった困りごとやニーズを整理し、さらに根強いニーズであるコンパクトであることも要素に加えデザイナー・設計者・企画者で何度もレイアウト・デザインをやり直し、検証しました。破損に対して安⼼して使えて、現場で本当に使いやすいレイアウト・デザインはなんなのかを追求しました。
現場が求める
レイアウト・デザインの実現
モータ向きを従来の向きから90度を変えることでカバー内のスペースを有効活⽤しカバーをコンパクトにすることができました。またモータ向きを変えた事でカバー内の⾵向きが変わるため、⾵窓部が持ち⼿ハンドルの内側にレイアウトされるようになりました。より頑強さを求めたいというデザイナーの思いもあり、⾰新的な「くの字ハンドル」が⽣まれました。これにより⾵窓部に⼯具・資材が当たる確率を⼤幅に下げる事が出来ています。
更に、エアチャックをタンクの横側にレイアウトする事で、リビングスペースに置いた際にホースの取り回しよく作業が出来るようにしました。⼟間に置いた場合でも、問題なく使⽤でき、⾞載ニーズにも天⾯フラット設計で対応しています。これまでわざわざ載せていた⾯材を置くことなく、上に荷物を置くことが出来るようになりました。