愛されて30年
Column
ヒヤリ・ハットの類似場所への情報掲示
過去にヒヤリ・ハットが発生した類似場所に共有情報を掲示した。二次元コードを読み取り過去の事例を閲覧できるので、「過去に先輩方が提出された貴重な経験を風化させず活用できているところが素晴らしい」と高い評価を得ている。
住友ベークライト株式会社は、日本のプラスチック工業の先駆けとなった素材「ベークライト」に由来する社名を持つ業界のリーディングカンパニーです。常に高度な技術開発を行い、最新の設備を導入しながらさまざまな分野で安全で快適な生活環境づくりに貢献してきました。その主要工場の一つである尼崎工場では、医薬品包装材やハム・ソーセージ・野菜の鮮度保持袋に使われる食品包装材、半導体に使われる製造工程フィルムなどを製造し、私達の日常生活を幅広く支えています。
同社では、安全意識向上のために2022年から社内で「安全表示コンテスト」を開催、2024年にコンテストの上位2作品を「第7回安全表示・人づくりコンテスト」に応募したところ尼崎工場の作品が見事に安全表示部門で優良賞を受賞しました。そこで、同社の安全衛生活動や安全表示の役割などについて生産技術本部環境・安全推進部長の松下英典さん、尼崎工場生産技術部の藤原伸幸さんにお話を伺いました。
労働人口が減少する中、同社でも省人化が進んでいます。このような状況では、働く人自身が「自分を守る意識」を持つことがますます重要です。人間はミスをする生き物であり、状況によってその確率は変化します。そのため、誰も見ていない場面でも安全に行動する姿勢が求められます。そこで同社では、「安全をすべてに優先させる」という理念のもと、全社員が一体となった活動を展開しています(【図】参照)。具体的には『心・技・体』の観点を軸に安全意識と行動を強化するため、次のような取り組みを行っています。
『心』心理的バイアスの自己管理を学ぶノンテクニカル教育を導入し、自己管理する方法を学ぶことで安全に配慮した行動が当たり前となる環境づくりを目指しています。『技』安全知識と安全技量を向上させるため、機械リスクアセスメントや社内認定試験を実施し、試験を通じて作業の練度と安全技術を同時に向上させることを目指しています。『体』転倒のリスクを減らすため、転び予防の体力チェックを実施し、作業者自身がリスクを管理できるよう支援しています。こうして同社では、働く人々の安全意識を高めるだけでなく、事故を未然に防ぐ環境を整えることに重点を置きながら、継続的な改善を推進しています。
【図】毎日唱和している安全理念と指針
同社では安全衛生教育の質と実効性を高める活動にも力を入れてきました。例えば「機械リスクアセスメント社内認定試験」には2024年度正社員186名中181名が合格。2025年度は外部講習への積極的な参加を通じて専門知識を深め、その知識を工場の業務に反映させることを目的に※SBA、SSAの取得を目指すといいます。さらに、ヒヤリ・ハット活動ではスタンプラリー形式の取り組みを導入し、※災害防止の鉄則10項目に対する事例を集め、可視化を促進しています。
受賞作について藤原さんは、「生産技術に所属する2号倉庫では、過去にも多様なヒヤリ・ハット情報の提出がありました。そこで、現地で情報を共有化できれば類似の労働災害が防げると考え、二次元コードを活用した掲示をみんなで考えて作成しました」と、誕生のきっかけを語ります。さらに「安全活動の成果を広く評価してもらう絶好の機会だと応募しましたが、それだけではなく、参加企業同士の交流や外部の情報によって大いに刺激を受けました」と、コンテストの参加意義について教えてくれました。
松下さんは「こうして現場に合った表示を自分たちで考える活動が、安全文化の醸成と安全意識向上に貢献する」として、全社の安全担当者会議で事例を紹介するなど、「今後は横展開を積極的に推進していきます」と力強く語っています。
作品の作成に携わった安全事務局のみなさん
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