愛されて30年

安全表示で人づくり

Column

マンネリ化を防ぐため、自分たちで工夫し他の優れた表示を取り入れ続ける

三井化学株式会社 岩国大竹工場

第5回安全表示・人づくりコンテスト 優良賞

鏡による視覚効果

定常的な表示からの脱却を目指して、今まであまり活用されていなかった鏡を活用した。鏡の特性である”反射”を活かすために、セロハンなど新たな材質を採用し、見た人にインパクトを与える表示となった。「何を伝えるか?」でなく、「何を活用するか?」からのアイデアは新鮮であり、表示の可能性を広げている。

 三井化学(株)は、1997年に三井東圧化学と三井石油化学工業の合併により誕生した国内有数の総合化学メーカーです。私たちの生活に欠かせない幅広い産業を支える化学製品を数多く提供しています。
 岩国大竹工場は、日本最初の総合石油化学工場(当時三井石油化学工業)として稼働し、70年近くになる工場です。その敷地は,山口県岩国市和木町と広島県大竹市にまたがって、約30のプラントを有し、近隣の工場とも連携しています。また、プラント生産技術を開発・改善する上で重要なスケールダウンした研究施設も併設されています。
 同工場では現在、配管の行先表示や作業機器の注意喚起、ヘルメットに貼り付けるシール、さまざまな備品の整理など、幅広い用途にビーポップを活用しています。
 そしてその中のアイデアを「第5回人づくりコンテスト」に応募したところ、見事、優良賞を獲得しました。
 そこで今回は、受賞作の制作に携わった製造1部の野田誠司特命業務推進リーダーと大田あゆみさんに、同工場の安全活動や安全表示の具体例などについてお話を伺いました。

想定外を徹底して追求し安全に対する対応力を高める

 同工場では2012年に発災した爆発火災事故は、安全に対する同社の取り組みを、なお一層深めるものとなりました。社会的にも大きな影響を与えたこの事故は、社内外関係者の協力によって、直接原因と深層原因の解明を通して、全社的には”抜本安全活動“、工場的には”安全再構築プロジェクト“につながっていきました。このプロジェクトは17年度から”未来につなぐ安全文化活動“、20年度からの”前進させる安全文化活動“へと継承され、現在は、大きく職場主体で取り組む活動と工場運営で取り組む活動の2本柱へと進化しています。
 また同社では、「トラブルからの教訓をいかに活用していくか」にも力を入れています。毎朝のミーティングでは、「工場の歩み」としてまとめられた過去の同日に起きたトラブルなどを皆で学び、その教訓を現在に活かしています。そして、これまでも充実していた災害訓練については、近年さらに、2か所同時発災など、これまで想定外とされていたようなシナリオも交えて訓練を行い、災害への対応力や臨機応変さを高めています。
 「災害には常に想定外がつきものです。これを言い訳にするのではなく、今まで考えていなかったような事態にもしっかりと対応できるだけの応用力・解決力を個人として身に付けることが万一のときに必要なのです」と野田さんは強調します。
 こうした活動の結果、指標として導入している”安全文化診断“の全ての項目が向上したそうです。

社員全員に配られる両面刷りのカード。片面には、過去に起きた事故やトラブルの経験を思い起こし、日々新たな気持ちで安全へ取り組むための「誓いの言葉」が掲げられ、もう一方の面には協力会社と一丸となって目指す年度ごとの環境安全衛生方針を掲げている。

立体表示を併用した出会いがしら衝突防止のための表示。これまでも通行注意の表示はあったが、表示を立体的にすることで、人の目に付きやすく興味を引き、危険意識の向上につながった。

表示に関する提案や相談が増加 安全表示が「自分ごと」に

 現在同工場では、各職場からの要望を取り入れビーポップを使ってさまざまな表示を作成しています。こういった活動のメリットのひとつとして野田さんは、「良い表示を水平展開できること」があるといいます。
 「どんなに斬新な表示でも、やがては風景になります。そうならないためには工夫の継続が必要ですが、どうしてもひとりでは限界があります。そこで、現場のひとりひとりが提案すること、コンテストに参加することにより、幅広い工夫をお互いに知ることが重要です。さらには、自分が考えたモノが形になれば、愛着を持つことにもなる。これがビーポップを使う最大の効果ではないかと思います」。
 また、実際にビーポップを使っている大田さんは、「私はプラント運転そのものに貢献できるわけではありません。しかし、現場で使われる表示について現場の方々とつながりが持てたことで、少しでもモノづくりに貢献できていると思えるようになりました」と語ります。
 「最近は、各職場の改善提案で表示に関する提案や相談が増えてきています。これは安全表示が『自分ごと』として定着しつつある証しであり、人づくりに大きく貢献しているポイントだと感じています。今後もビーポップによる表示をさらに活用していきたいと思います」と、ふたりは期待を寄せています。

表彰状を手にする野田さん(左)と太田さん。

会社概要

三井化学(株) 岩国大竹工場

本社所在地
東京都中央区八重洲
岩国大竹工場所在地
山口県玖珂郡和木町
主要製品
ポリエステル繊維原料、ペットボトル用樹脂、自動車・電子部品用途樹脂、特殊包装用途樹脂、溶剤・作動油等
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