愛されて30年

安全表示で人づくり

Column

安全表示という地道な取り組みこそ必ず災害ゼロへとつながる道である

日立金属株式会社 茨城工場

第4回安全表示・人づくりコンテスト 優良賞

化学物質小出し容器の危険性の見える化

名称だけの表示だったため、具体的な危険性が分からなかった。
多種の化学物質を使いやすいよう小出し容器へ移し替えて使用しているが、改善前は名称だけを表示していたため、作業者はどんな危険があるのか分からず、もし取り扱い方を間違えると、薬傷災害となるリスクがあった。そこでラベルを改善し、危険性を表示(見える 化)することで安全性を高めた。また、GHS※1マークを明記し、背景の色も「第二種有機 溶剤」⇒黄色背景、「危険物」⇒赤背景など適用法令に合わせて分類し、分かりやすくした。このため新規入場者にも危険性が具体的に伝わるようになった。

※GHS:「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」(The Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals:GHS)の略。<厚生労働省「職場の安全サイト」より>

 1956年設立の日立金属株式会社は、日本を代表する鉄鋼メーカーとして、国内はもちろん海外にも多数の拠点を展開するグローバル企業です。その主要拠点のひとつである茨城工場では鉄道車両用ケーブル、医療機器用プローブケーブル、自動車の電装部品、FAロボット用ケーブルのあらゆる産業に欠かせない電線(ケーブル)等を生産しています。
 そんな同工場では、「職場コミュニケーション活性化で風通しの良い職場をつくろう」を掲げ、さまざまな安全衛生活動に取り組んでいます。その中で安全表示も見直し、作品を第4回「安全表示・人づくりコンテスト」に応募したところ、見事、優良賞を獲得されました。そこで同工場の橘 康雄工場長と総務部安全担当の森田 稔さんにお話を伺いました。

指差し呼称は安全の基本!工場長自ら動画で範を示す

 今年の年頭挨拶で橘工場長が「安全文化の再構築」を打ち出し、現在、その目標に向けて数々の活動を行っている同工場が、中でも力を入れているのが指差し呼称の励行です。この意義について、森田さんは、「従業員の安全意識を高めるためには基本中の基本を定着させることが重要だからです」と語ります。
 例えば、構内の横断歩道を渡るときに左右と前方を指差し、確認を声に出してから渡る。その正しいやり方を工場長自身がモデルとなって動画配信しているとのこと。これを安全衛生委員会や各職場の会議、現場のモニターなどさまざまな機会に見せることで、浸透を図っています。
 「工場トップの率先垂範の姿勢が伝わり、少しずつですが、指差し呼称がしっかり行われるようになってきました」と森田さんは手応えを感じています。
 また同工場では体感型の安全教育に力を入れえていて、切創、挟まれ、巻き込まれ、感電といった危険を体感できる教育施設を2020年に導入、これまで600人近い従業員が受講したそうです。受講後のアンケートには「こんな一瞬でけがをするんだ」、「安全のことを改めて考えた」などのコメントも多く寄せられ、安全意識向上に成果が得られたといいます。森田さんは、今後も感染症対策を万全にしながら全従業員の受講を目指す意気込みです。

非常停止用押ボタンスイッチ。非常時にすぐに認識できる必要があるため、操作ボタンは赤色、スイッチの背景は黄色で表示するようにした。

安全表示について関係部門が話し合う その創意工夫が生んだ受賞作

 同工場では15年も前からビーポップを使っているそうですが、実際の作成は特例子会社※である日立金属ハロー(株)さんにお願いしているとのこと。「こちらから『こういった物を作りたいんだけど』と概略を渡すだけで、サイズや見やすさ、色合いなどをアレンジして作成していただけるので大変助かっています」と森田さん。実は、作成者の存在を社内に発信する意味もあって今回のコンテストに応募したといいます。その結果、受賞を安全衛生委員会などで報告することで、特例子会社の方が頑張っていることを知ってもらい、制作者には受賞の喜びを感じてもらうという森田さんの願いが実現しました。
 安全表示の意義について橘工場長は、「安全表示は比較的に取り組みやすい活動ではあると思いますが、どういった情報をわかりやすく、見やすい表示にするかという難しさもあります。そういった中、関係部門が創意工夫することで、今回の表示が完成しました。その結果が、今回の賞をいただく形となり、うれしく思います。安全表示は地道ではありますが、この活動が災害ゼロにつながることを信じて、さらに盛り上げていきます」と前向きに語ってくださいました。

※特例子会社:事業主が障害者の雇用に特別の配慮をした子会社を設立し、一定の要件を満たす場合には、特例としてその子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されているとみなして、実雇用率を算定できる制度。
〈厚生労働省「特例子会社制度等の概要」より〉

日立金属(株)茨城工場と日立金属ハロー(株)のみなさん
前列、賞状を掲げているのが橘工場長、後列一番左が森田さん、盾を持っている女性が受賞作を作成した日立金属ハロー(株)の滝本さん

※撮影のために十分な感染症対策を行った上で一時的にマスクを外していただきました

会社概要

日立金属(株)茨城工場

本社所在地
東京都港区
設立
1956年
従業員数
6,623名(連結28,620名)
茨城工場所在地
茨城県日立市
支店従業員
茨城工場従業員:1,345名
事業内容
電線、自動車部品の製造・販売(生産品目:鉄道車両用電線、産業ロボット用ケーブル、電動パーキング用ハーネス)など
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