愛されて30年
Column
配管の識別表示
工場内に通っている配管には危険な物質も流れていたが、安全表示の文字・ラベルの色が統一されておらず、部外者にはわかりにくかった。
JISに従った表示にするだけでなく、酸とアルカリ、ガスの種類ごとに文字の色を変え、識別しやすいように表示を統一した。
秋田県秋田市に本社のある三菱マテリアル電子化成(株)は、社名の「マテリアル」が示すとおり、暮らしに不可欠な基礎素材から、先端産業を支える高い機能を持った新素材までを製造しています。最近では、ますます重要性の高まるシリコン半導体製造プロセスやハイブリッドカーなど最先端テクノロジーへも素材を供給。中でも自動車の窓ガラスに使用する熱線カット塗料は、車内の過熱を防ぎ、省エネにも効果のある素材として注目が集まっています。
そんな同社では2018年から「安全文化醸成プロジェクト」を実施、相互啓発型の安全文化醸成活動の一環である「関係者にやさしい工場」を目指し、安全表示の統一化に取り組んでいます。その結果、2019年には工場内の配管に関する安全表示の統一が実現しました。この活動はビーポップによる安全表示として2020年の「第3回安全表示・人づくりコンテスト」で見事優秀賞を受賞しました。そこで、実際に安全表示を作成されている環境安全部の青木さんと副部長の川上さんに、同社における安全文化への取り組み、安全表示統一の意義などについてお話を伺いました。
同社では安全文化醸成プロジェクトの発足以来、相互啓発型の安全文化醸成を目指してきました。相互啓発型の安全文化とは、一人も欠けることなく自立的に安全活動を実践し、意識レベルを高めるとともに、互いに注意、確認し合うことができる風土です。安全環境部ではそのために安全表示の統一が重要だと考えましたが、ネックとなったのは「既製品では対応が不可能」だったことでした。
「そこで、ビーポップを導入し、多様な表示を作成するようにしました。それからは、妥協せずにオリジナルの表示が作れるようになったのです」と青木さんは振り返ります。それまで各部署でばらばらに既製品を購入していたのを、ビーポップによる表示の一括支給により社内の表示の統一化に貢献しています。また、メールや口頭での依頼を「安全表示作成依頼書」の提出へと統一しました。さらに各部署の依頼には現場や作業に合わせた表示内容に変更して対応できるようになりコストも大きく削減しました。
環境安全部では、この依頼書に従い、表示の目的や掲示場所、サイズなどを現場に確認しながら表示を作成し、実際に掲載された現場の状況も必ず確認するそうです。「表示の内容を現場と一緒に考えたり、掲示状況を一緒に確認したり、表示作成を通じて職場のコミュニケーションが深まり、安全文化の醸成に役立っていると思います」と青木さん。コンテストについても「受賞したい、とは思いますが、それが目的ではありません。あくまで『労働災害ゼロ』を最大の目標に、今後も安全表示による人づくりに積極的に携わっていきたいですね」と意気込みを語ります。
2019年の応募作、緊急飛込プール表示。ISOのピクトグラムになかったため、オリジナルを作成した。誰にでも分かりやすいと好評だ。
安全表示の統一化については、今回受賞した配管だけで、8カ月かかったといいますが、この時間は無駄ではなかったと川上さんは考えています。
「各部署のさまざまな意見を聞きながらじっくりと統一化を進めてきました。そうすることで、各部署の安全に対する考えを知ることができました。今ではみんなの思いがまとまってきていると実感します。配管以外にも工場名等、統一すべき表示がありますので、これからも部署間のコミュニケーションを大切にして、取り組んでいきたいと思います」と川上さんは今後を展望しています。
今後も、安全表示の統一は、同社が掲げる「相互啓発による安全文化」実現のために重要なアプローチであり続けることでしょう。
三菱マテリアル電子化成(株)環境安全部のみなさん
※撮影のために十分な感染症対策を行った上で一時的にマスクを外していただきました
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