愛されて30年
Column
階段における通行区分の見える化
階段は右側通行と決められていたが、階段に表示がなかったため左側を通行する人がいた。特に踊り場は交錯による接触の危険性があった。
階段の照光寺に右側通行を徹底するため、「右側通行」の表示は歩きながらでも目に入るように床面と側面へ貼った。通行すべき進行方向に足形黒、階段の段数を青い数字、すれ違うための仕切り線として黄色い線やドットで表示した。「直観的にわかるので開国人実習生にもつや割安いと思う」と川口さん。
愛知県丹羽郡に本社のある(株)青山製作所は、1950年の創業以来、70年以上の長きにわたり、自動車用を中心としたさまざまな分野に、ボルト・ナットやねじをはじめとしたファスニング技術※を提供する専門メーカーとして、産業の発展に大きく貢献してきました。
同社の製品は、私達の目に直接触れることが少ない、縁の下の力持ち的な存在ですが、一台の自動車に約7000~8000本も使用されているといわれ、月間の生産数は、海外も含めると12億個以上にものぼります。そんな同社の中でも、九州圏における製造の中心拠点として重要な役割を担っている熊本工場では、昨年行われた第3回「人づくりコンテスト」に初参加し、見事入賞を果たしました。
そこで今回は、同工場の藤本孝典工場長、工務課の川口博司係長に、同社の安全衛生活動への取り組みと、受賞作を作成した経緯などについてお話を伺いました。
同工場では、安全衛生活動の具体的な施策として、「安全人間つくり」と「安全専念時間の導入」の2つを中心に行っているそうです。
「安全人間つくり」とは、社員の安全に対する意識をランク付し、作業の際にどういった安全対策を実施実行できるか、を評価するというもの。KY活動やヒヤリ・ハット提案活動を通じて一人ひとりの危険に対する感受性を高めることで、災害を未然に防止することが目的だといいます。
「例えば、自分自身が安全に行動するだけでなく、同僚であれ上司であれ、不安全な行動に対しては注意ができる人間になることが、ランクアップにつながります。上司に対しても間違ったことがあれば指摘できる、というところまでを目指しているのです」と藤本さんは言います。
また、「安全専念時間」は班長クラスから工場長までの全職制が集まって、毎週決められた曜日に1時間構内を巡回し、現場や作業者の不安全行動などの有無を確認し、指導・改善していく活動です。管理者側が安全に対する見る目を養い、隠れた危険を発見できるスキルを向上させながら、現場での環境改善を促しているそうです。
開閉時に人が接触しないよう扉の軌跡をドットで表示した。
歩行時にいったん停止を促す「止まれ」の表示。
同工場の作品は、働く仲間からの「歩行中に接触する危険がある」という声に対応した安全表示です。「現場で話し合った結果、単なる線ではなく足型があったら面白いし、目立つのではないか、というアイデアが出て、それをカタチにしました」と川口さん。
安全表示を作る際に川口さんが常に意識しているのは、“表示を見る本人だけでなく、その周囲の家族や仲間たちにも影響がある”ことだといいます。「災害が出てしまうと本人はもちろん、ご家族や会社の仲間もすごくつらい思いをします。そのために災害はゼロにしなくてはいけないですし、それを抑止するツールとして安全表示を役立てたいと思っています」と語る川口さん。その思いは工場のみなさんに通じ、「ぶつかりにくくなった」「面白いので注目度が上がる」などの声が寄せられているそうです。
今後の安全表示活動について、「不安全行動と不安全状態をどうしたらなくすことができるか、より働きやすい環境にしていくのか、に応えるのが我々の役割だと思っています。これからも仲間の声を活かしたアイデアや工夫で、災害ゼロに結びつくような安全表示を生み出していきたいですね。また、今後は表示ルールを統一し、工場全体に活動を広げていきたいと考えています」と藤本さん。同工場の安全に対する前向きな意欲を強く感じる取材となりました。
第3回「人づくりコンテスト」優秀賞の症状と盾を手に、
笑顔の(株)青山製作所 熊本工場のみなさん
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